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いか文庫のマンガ通への道  第11回



~いか文庫の2人[店主]と[バイトちゃん]による、おすすめマンガの往復書簡~
 
いか文庫のマンガ通への道 第11回
『メタモルフォーゼの縁側』

バイトちゃん。「BL(ボーイズラブ)漫画」って、読んだことある?
私は、実はたまーに読むんだけど、あんまり人には言えなくてね。
いや、でも、いい作品がたくさんあるから隠すことでも無いとは思うんだけど、何となく…。
今日は、その「BL漫画」で知り合った、おばあさんと女子高生の物語を紹介しますね。
 
この『メタモルフォーゼの縁側』は、3年前におじいさんに先立たれた、とある一人暮らしのおばあさんが主人公の1人です。1年ぶりに入った本屋さんで「きれいな絵だなぁ」っていう第一印象でBL漫画を手に取るところから始まります。
 
BL漫画だと知らなくて買ったおばあさんだったんだけど、その1巻にすっかりハマってしまい、次のお出かけの時に2巻を、その帰り道に3巻を買いに本屋さんに行きます。
そこでアルバイトをしているのが、もう1人の主人公。
BL漫画が好きだけどこっそりしか読めなくて、その楽しさを分かち合う友達も見つけられていない女子高生です。
 
この2人が「BL漫画」を通して出会い、少しずつ仲が良くなってお互いに新しい楽しさを見出したり、自分を振り返ったりしていくのだけど……その様子は、実際に読んでみて欲しいです!
 
私、最近よく、「本で新しいものに出会うことの喜び」について考えるんだ。
本って、開いてみないと何が書いてあるかわからないから、出会って中に入り込むまですごく時間がかかるけど、でも、その中に書いてあることってものすごく膨大で、広くて、深いものが多いじゃない?
そしてそこから得られるものって何かしら必ずあって、そこからまた新しい世界への興味に繋がったりするんだよね。
私はそれが好きで、本を人に手渡すことを仕事にしてるんだなぁって、この漫画を読んで、あらためて思いました。
 
1巻が出たばっかりで面白すぎるから、次が気になって仕方がないんだけど!
あ、その楽しみも、本や漫画の楽しみの一つで、うん、なかなかいいよね。
ぜひ! 読んでみてくださいー!
今回も素敵な漫画のオススメ、ありがとうございます!
 
「BL漫画」を読んでいるおばあさんってどんな感じ?ファンキーな感じ?と思ったら…75歳で、普段は習字の先生をされている、女優でたとえるなら八千草薫さんのようなかわいらしいおばあさんだったのですね。
おばあさんが老眼鏡をかけて、夢中になってBLを読んでいる姿は、現実ではもちろん漫画の中でも見たことがない光景だったので、「すごいものを見た!」という気持ちになりました。
 
本屋でアルバイトをしている女子高生との関係もいいですね。
私も趣味がきっかけで仲良くなった友達がいるのですが、年齢は一回り上の友達もいれば、一回り下の友達もいて。
年齢とか、職業とか関係なく、好きなものの話で盛り上がれる友達ができたときのワクワクする気持ちを、この二人に思い出させてもらいました。
感情をあまり表に出さなかった女子高生の表情が、少しずつほぐれていってますよね。
今後、この子がどんな風に変わっていくかも、見守っていきたくなりました。
 
おばあさんが、「本で新しいものに出会うことの喜び」を得たように、私も何か「自分の生活を変えるほどの新しいものに出会いたい!」と強く思いました。
家の中にいることが多いので、もっと外に出たいし、本も読まなきゃ!
 
最後に。
店主からの「BL漫画を読んだことがある?」という質問の答え。
私は読んだことがありません!
でも、この「メタモルフォーゼの縁側」を読んだ今、興味が湧いています。
まずは、おばあさんのように表紙の第一印象で、何か一冊手に取ってみようかな?
きれいな絵に惹かれて漫画を手にしたおばあちゃんでしたが、その内容は…。

書店のアルバイト佐山うららと、おばあちゃんの間に、世代を超えた友情が芽生えていく。

いか文庫 Profile
お店も商店も持たない「エア本屋」。本屋さんと組んでフェアを展開するなど、本に関わる分野で活動する【店主】と【バイトちゃん】2人組。このコラムは、2人の薦め合いで構成。











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