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【第47回】やさしい雨 松崎克俊 コラム『ものするひと』



個人的になんですが、ものすごく面白いのに感想を言語化するのをためらってしまうマンガ、というものが存在します。
そうなってしまう原因はいくつかあるのですが、特に
・例えば医療系のマンガがあったとして、医療について詳しくないから本当の面白さが分かってないんじゃないか
・自分がいま持ってる表現力では面白さを表現できない、できたとしてもどこかチープなものになってしまう
という2つの原因の内、どちらかによるものだという事が多いのです。
そんな中、この2つの原因の内、2つともに当てはまってしまうマンガに出会ってしまいました。それが、『ものするひと』なのです!
 
 
『ものするひと』

主人公は、警備員のバイトをしながら小説を書いている杉浦紺。小説を書いている、と言っても趣味で書いているわけではなく、ちゃんと雑誌に載るような小説。
そんな彼が普段どんな生活を送っているのか。そしてどう変わっていくのか、もしくは変わらないのか。を描いたのがこのマンガなのですが、まず自分は小説をほとんど読みません。
年に一冊読むか読まないかのレベルなので、【ほとんど】ではなく【全く】と言っていいかもしれません。
だから、彼の書いている「純文学」が何なのか、さっぱりなのです。
小説家の知り合いも(多分)いないので、これがリアルな小説家を描いているのか、また」本当にこういう賞があるのか、基準が無いんですね。
それに加えて自分がここに最初書こうとしていた「日常系小説家マンガ」という、圧倒的に作風を勘違いされそうな感想が出てしまう自分の表現力!
というのが相まって個人的に言語化するのが難しい(「言葉」がテーマのひとつであるのに)のですよ。
ただ、それでも言葉にするならば、これがリアルかどうかは分からないけどリアリティを感じるマンガだ、という感じでしょうか。

街中の看板の文字を心の中で読んでしまう感じ。
何が何でも小説家だけで食っていけるようになってやる!みたいな分かりやすい熱量ではない感じ。
それでも現状にせちがらさを感じたりソワソワしたりする感じ。
こういう、派手ではないけれど「生きている」と感じられる登場人物たちを見てると、感情やお話がすっと心の中に入ってくるんですよね。
いわゆるネガティブな部分を描く事でリアリティを出す、みたいな事をしていないので、読んでてすごく気持ちいいのです。

言ってみれば自分も芸人をやっているので、
■普通じゃないという事とか
■天才かどうかとか
■0が1になった瞬間とか

いろいろ響く部分がありまして。なので、何か「作品」と言われるようなものを作っている人や表現する人、広い意味でエンタメ系の仕事をしている人には是非読んでもらいたいですね。
何かを見失ってしまいそうになった時、これを読めば初期衝動とかいろんな事を思い出せる気がするのです。
あ、もちろんそれ以外の方も!
何と言うか、ずーっと読んでいられるマンガなので、常にそばに置いておきたいですね。
そういう意味では、【日常系】っていうカテゴライズは間違ってはいないのかも…
あと、ポメラ欲しくなりますね。
 
   松崎ココが好きっ!


ノートPCとかじゃなく、ポメラが欲しくなるマンガ。それが『ものするひと』


「普通」「変わってる」という事を強く意識している女子大生・ヨサノ。なんだか、気持ちは分かる気がするのです


作家業を応援してくれる大家さん。気恥ずかしいやら救われるやら。


胸が熱くなるシーン。感動とか喜びとか。

松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/お笑いコンビ・やさしい雨として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
 
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