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いか文庫のマンガ通への道  第24回



~いか文庫のメンバー4人による、おすすめマンガの往復書簡~
 
いか文庫のマンガ通への道 第24回
ココログイン

店主へ

突然ですが、店主は中高時代、どんな学生でしたか?
私は、どこか背伸びして頭でっかちで、ちっとも素直じゃなかったなあと今振り返ると思います。
なんでいきなりこんな話をしてしまったかというと、最近『ココログイン』という中高生が主人公の漫画を読んだからです。

ある日、関東から転校してきたカマタ君の声に反応する主人公の尚。初めてその声を聞いた時、「なんだろ、ドキドキする、違和感。」そう心の中で思うのですが、その違和感の正体は、なんてことない、標準語。そう、このお話の舞台は東北で、みんなが東北弁を話す中で、カマタ君の標準語が新鮮で気になったのです。その標準語は、尚だけでなく他のクラスメイトたちにとっても新鮮で、だからカマタ君は、からかわれてしまったりもします。

話の後半でカマタ君はある男子と初めてぶつかるのですが、方言も標準語も”お互いに”まるで“呪文”みたいに思えたり、関東=東京って決めつけていたり、東北の人はみんな「じぇじぇじぇ」って言うのかと思い込んでいたり…ずっと感じていた違和感や感情が、実は「偏見」からくるのだということに、その時みんな一斉に気づきます。その後の尚やカマタ君がどうなるのかは…ぜひ読んで確かめてみてください!

それと私、「声」が気になっている尚に対して、「つまり好きなんでしょ?」って、最初思ってしまったんです。でも、尚がまず気になったのは「カマタ君」ではなく「カマタ君の声」であって、別に「恋」とか「好き」とかそういうものではないんですよね。この漫画を読んで、自分がいつのまにか、人の気持ちも自分の気持ちも、それは「恋だ」「好きだ」みたいに、すぐに答えを出そうとするクセができてしまっていたのだなとも、改めて気づかされました。

だから、無理に答えを出そうとしたり、形にあてはめようとしなくていいんだなって。もっと素直にいろんなことを、感じるままに感じていたらよかったんだなって、中高生時代の自分に教えてあげたいって思えた、そんなさわやかな漫画でした。
学生時代の思い出と共に、店主もぜひ読んでみてください!
バイトもりもりへ

「ココログイン」、読みました!
この本のタイトルって、相手の「ココロ」に「ログイン」するってことなんだね。
バイトもりもりが紹介してくれた1話目もそうだけど、2話以降の短編も、心がほんわかするなぁって思いながら読みました。

私が特に良いなぁって思ったのは、「-Contact-」。ネットゲームで知り合った女の子2人、ミューとポポ(ゲームの中の名前)が、初めてリアルに会って、なんだか気まずい雰囲気になっちゃって、それから…っていうお話。最近じゃ、こういうシチュエーションってすごく多いんじゃないかな?と思ってさ。

そもそも私たちいか文庫も、リアルなお店が無い”エア本屋”だから、SNSも大いにつかって活動しているわけだけど、実は私、初めて会う方に、「男性だと思ってました!」って、かなりの確率で言われるのよね。つぶやくことがユニセックスな男性の雰囲気らしい…笑。だから、ものすごく驚かれる反面、そのギャップ効果で、初対面でも和気あいあいとお喋りできたりするんだけどね。

ネットを通じた出会いって、「好きなものが一緒」「趣味が合う」って理由で繋がることが多いだろうから、いか文庫の場合は「本」じゃない?そしてこの物語の場合は「ゲーム」。この共通点があるからこそ、ふとした瞬間に意気投合して、それこそお互いの心にログインし合うことができるんだろうな、それってすごく良い出会い方だよなって思ったの。実際この二人も、最初はギクシャクしてたけど、ある事件をきっかけにゲーム内でのチームワークをリアルでも発揮して行くじゃない?それって、二人だけにわかる呼吸みたいなものが、知らず知らずのうちに出来上がっていたからだよね。

私が中高生だった頃…実はあんまり良い思い出がないのよねぇ…。自意識過剰で、人の目を気にしてばっかりで、人間関係もあまりうまく行かなかった暗い思い出しかない…凹。
でも、それって、お互いを知らないまま接しなくちゃいけないっていう、ちょっと大きめのハードルがあったからなのかもなって思って。ネットで出会うなんて…っていう意見もあるだろうし、危険性や難しい面も多々あるけれど、ネットってちゃんと良い側面もあるんだよってことも、この漫画を通じて改めて実感しました。
いか文庫にもぴったりの漫画をオススメしてくれて、ありがとう!



転校生・カマタくんの声に違和感を感じる尚。

ちょっぴり気まずい、初対面のとき。
いか文庫 Profile
お店も商店も持たない「エア本屋」。本屋さんと組んでフェアを展開するなど、本に関わる分野で活動する【店主】と【バイトちゃん】2人組。今年からサブスタッフ【バイトもりもり】【バイトぱん】も加わって、本をお薦めするお手紙を、4人でやり取りしていきます。
























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