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【第51回】やさしい雨 松崎克俊 コラム『極楽寺ひねもす日記』



夏。今年は結構涼しい日が多かった7月からの、やっぱり暑い8月。
これを書いてる時点ではコミケ前。そしてお盆前。コミケだったりライブだったりで数年は実家に帰れてないので、お盆を親戚一同で過ごす、みたいな事ももはや懐かしい思い出になってしまってます。

そんなノスタルジーを感じながらも、設定の面白さ、興味深さ、キャラクターの魅力が詰まっているのが、本日紹介する『極楽寺ひねもす日記』です!
 
 
『極楽寺ひねもす日記』

ある日突然、お寺の住職が夢を追って失踪しちゃった!奥さんも、住職を捜しに出て行っちゃった!そんなお寺にひとり残された跡取り息子・仁海!これから一体どうなってしまうのか!?
という内容で、「ワンオペでお寺を回す」というなかなかのパワーワードを軸に、お寺の業務やご近所さんとの交流を描きます。

そして個人的に好きなのは、主人公・仁海のキャラクター!
大変な状況に追い込まれながらも、あくまでマイペースな仁海。母親も出て行って一人ぼっちになってしまったと分かった瞬間の「全部明日考えよう!!」と寝てしまう辺り、なーんかリアルじゃないですか?
自分も、やらなきゃいけない事いっぱいで脳内のキャパ超えたら「う~ん…とりあえず寝て起きてから考えよう!」ってなっちゃうタイプなので、すっごく分かるんですよ。
そのマイペースっぷりと、タイトルの「ひねもす」って何か合ってる感じしません?

あ、「ひねもす」っていうのは「終日、一日中」って意味なので、このお寺・極楽寺の騒がしくも微笑ましい毎日を描いた、ある意味【日常系】になるのかな?流石に無理あるかな?でも雰囲気としては仁海のキャラクターも相まってほのぼのした感じがするので、「ひねもす」って語感がピッタリなんですよね~いいですよね~「ひねもす」。

まぁそんな感じでのんびり過ぎていく毎日ですが、起こっている出来事はなかなかどうしてハードなものばかりで、両親が出て行った以外にも
■一人でお葬式に行く事になったが、故人が元組長で弔問客がそっちの筋っぽい人だらけ
■住職がいなくなった事を檀家さん達に詰められる
■恩師の奥さんの四十九日法要の食事がめちゃくちゃになる
など、リアルで起きたらどうすればいいのか分からない事が次々と襲ってくるのです。そりゃ逆に落ち着いたりもするわ。
そんな状況を、コミカルと言いますか、のらりくらりと言いますか、「なるようになる」って感じでクリアしていく様子は、読んでてすごく癒される部分ですね~

ほら、実際の環境がこれだけ暑いと、ちょっと難しい内容が入ってこなかったりするじゃないですか。受験勉強は夏休みに差がつく!って言われても暑すぎて全然頭に入ってこないよ~って思ってたあの感じ。
でもこのマンガは登場人物が表情豊かでドタバタが多いので、内容が入ってきやすい!
ある意味、夏にピッタリのマンガなのかなぁと思いますね。

あと、お寺の業務内容や、檀家さんって名前は聞いた事あるけど…っていうようなよく分かってなかった部分などが自然とお話に組み込まれているので、詳しく知らない世界のはずなのにとっつきやすいんですよね。
だから、住職って言っても一人の人間なんだよ、すごく身近な存在なんだよって事を感じる事ができる、すごく良質なマンガだと思います!
 
   松崎ココが好きっ!


仁海の小学校からの腐れ縁・葬儀屋のもっちゃん。メガネ男子すき。


毎話、謎の活躍をする辻本さん。仁海にとってこの一言って心強かっただろうなぁ~


もう一人の腐れ縁・千笑ちゃん。こ、これは小さかった頃の話だからセーフ!たぶん!


熱意は伝わってくる!荒波の原因の一つが自分にあるって分かってない感じもいいですね!ばーーん!!

松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/お笑いコンビ・やさしい雨として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
 
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