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【第53回】やさしい雨 松崎克俊 コラム『ふりだしにおちる!』



『ふりだしにおちる!』を一言で表すなら、「女子高生達たちによる日常系マンガ」です。
もう一言足すとすれば、「女子高生たちによる日常系中の日常系マンガ」です。
もうね、めちゃくちゃ日常なんですよ。
 
『ふりだしにおちる!』

どういう事かというと、まず主人公の青井鳩ちゃん(通称・はとちゃん)が部活に入ってない。あと、特に熱中してるものがあるわけじゃない。あるかもしれないけど、マンガの中では特に描かれてない。
だから、「全国大会に向けて頑張ろう!」とか「もっと上手になりたいから頑張ろう!」っていう展開があるわけではなく、皆が楽しく高校生活を送ってるだけ。
何かがあるとすれば、はとちゃんが「女子高生っぽくない」と妹に言われて女子高生っぽい事をしようとするもなかなかしっくり来ず…という感じ。
でもその様子は、女子高生の事をよく知らない自分のような男子からしたら充分女子高生。
つまりこれは女子高生の日常。マジ日常。
 
あと、事件が起きない。ずっと平和。
じゃあ具体的にどんな展開があるのかというと、
■体育の授業を受けたり
■公園で遊んだり
■友達とお泊りしたり
してる。マジ日常。マジ平和。

そんな中でもケンカしたりしない。皆めっちゃ仲が良い。
その仲の良さは、読む人によっては百合っぽいと思うかもしれないし、また別の人が読むと普通に仲の良い女の子たちだなぁって思うかもしれない、この絶妙なライン!
中には百合すらも越えた、えっ何これ…夫婦?って思わされる真の仲の良さを感じる瞬間もあったりして、コチラとしては「ありがてぇ…ありがてぇ…」って拝むしかできなくなってしまう。これは紛れもない日常系。

そんな彼女たちを強調するかのように、男性キャラはほぼ出てきません。「ほぼ」というか、全くと言っていいと思います。
そして男性だけでなく、大人たちもほとんど出てきません。先生は出てくるのですが(この先生コンビの関係性がまた最高なのよ!)、生徒たちの両親の姿も出てきません。
それだけ徹底する事で余計な【リアル】を感じさせない。でも彼女たちがそこにいる【リアリティ】を感じさせているところが、自分が「日常系中の日常系」だと思う最大の理由です。

字面的に馬鹿にしてるように見えるかもしれない事を書きますが、読み終わった後に具体的な内容を覚えてないんですよ。あまりにも日常すぎて。
ただ、読み終わった後に「これはいいものを堪能させてもらった…」っていう幸せな気持ちだけが残っているという。あくまで個人的な感想なんですけど。
これって自分がめちゃくちゃ好きなパターンなんですよ!
「あんま中身覚えてないけど、めちゃくちゃ面白かった事だけは覚えてる」って、最高の褒め言葉じゃないですか!?
食レポ?食リポ?で「ふわっふわの食感で、いつの間にか舌の上で溶けてなくなっちゃいました!凄く美味しいです!」みたいな!
あ!この例えは無かった方が絶対よかったやつだ!

全2巻という事で、もっともっと彼女たちを見ていたかったような、ここで終わった方が彼女たちがあの世界で生きているんだろうなと思えるような、そんな感覚です。
最高の読後感を感じたい方にオススメのマンガです!
 
   松崎ココが好きっ!


表情やセリフから3人の関係性や性格がよく分かるスバラシイひとこま。


フンス!こういう擬音?の文字の感じ凄くイイ!


口の形が△になるの、好きー。すごく好きー。


幕間のひとこま。こういうラフなイラストもスバラシイ!

松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/お笑いコンビ・やさしい雨として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
 
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