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いか文庫のマンガ通への道  第25回



~いか文庫のメンバー4人による、おすすめマンガの往復書簡~
 
いか文庫のマンガ通への道 第25回
座敷童子の代理人

バイトぱんへ

バイトぱんと私の地元がある東北地方、その中の1つである、岩手の「遠野」を舞台にしたマンガを読んだので紹介するね。

主人公は、緒方司貴という「妖怪」が大好きな若手小説家です。小さい頃から民俗学者・柳田國男の愛読家でもあって、その影響から妖怪をテーマにした小説を書いているの。でも、全然売れていなくて、経歴5年目にして崖っぷち状態なんだよね。

その状態から抜け出すために、妖怪の聖地でもある「遠野」に籠って執筆するぞ!と、訪れるところから物語が始まります。冒頭からさっそく「河童」、続いて「座敷童子」に遭遇するもんだから、「さすが遠野!」って楽しくなるんだけど、その遭遇場所でもあり、泊まっている宿「迷家荘(まよいがそう)」には次々とトラブルが発生してね……。その上、緒方にはなぜか、他の人の目には見えない、
妖怪や河童が見える能力があるから、ただの宿泊客だったはずなのに、いつのまにかトラブルを解決して行く、”妖怪物語の探偵”になったかのような日々を送ることになるんだ。2巻からはさらに、1巻では想像もできなかった展開が待ってるから、楽しみに読んでみてほしい!

もう1つの読みどころが、とっても個人的なことなんだけど…
河童がかわいい!!!とにかくかわいいところ!!
目がまん丸でうるうるしてて、顔も体も丸っこくて、それなのに男気があってフレンドリーで!こんな河童なら、私も友達になりたいって思うほどだよ(うっとり)。その河童の活躍っぷりもぜひ楽しんでほしい!

そうそう、そしてこれを読んで思ったことがもう1つ。妖怪とか、民間伝承とかにまつわるお話って面白いなぁってことを、改めて感じたのよね。柳田國男の本も読んでみたくなったし、妖怪についてももう少し詳しくなりたいし、自分の地元にもこういう話があるのかな?って興味が湧いたよ。

あとあともう1つだけ、河童の補足も!『河童のクゥと夏休み』っていう、10年くらい前に公開されたアニメ映画があって、それも合わせてぜひ観てほしい!残暑にぴったりの最高の物語だし、クゥが本当にかわいいから!……って、あれ、私、河童大好きなのかな……。

バイトぱんは、好きな妖怪、いる? 感想と一緒に教えてくださーい!
店主へ

『座敷童子の代理人』読みました!

河童、めちゃくちゃ可愛かったです~。あの瞳でみつめられたら、相撲やろうって?やろうやろう!尻子玉欲しいって?どうぞどうぞ!!って、何でもしてあげたくなっちゃいますね。

私、子供の頃からお化けとかゾンビとか”怖いもの”が好きだったので、妖怪も怖いものだってずっと思ってたんです。でもこのマンガに出てくる妖怪は、みんな優しくて可愛くて、こんな妖怪もいるんだ!こんな妖怪だったら全然怖くない!むしろ友達になれちゃう!って、びっくりしました。

私がいいなって思ったのは、迷家荘に板前さんとしてやって来た直純と、その父親の浩介、そして河童とのエピソードです。浩介と河童は、浩介が子供の頃に川で溺れているところを河童に助けられたことをきっかけに友達になるけれど、浩介の成長とともに河童の姿は見えなくなってしまいますよね。それでもずっとその友情を語り続けて、亡くなるまで河童のことを大切に思っているんだけど、一方息子の直純はそれが面白くなくて、自分は妖怪なんて信じない!と、頑なに河童の存在を受け入れない。でもそれにはまた特別な理由があって…という、5話からのところです。姿が見えなくても、話ができなくても、通じ合えるって素敵だなって思いました。

あと店主も言っていたように、私もこのマンガを読んで、妖怪って面白い。もう少し知りたいなって思って、地元・青森に伝わる妖怪の話を調べてみたんです。そしたら、夜な夜な「甘酒はありませんか?」って家を訪ねて来て、甘酒があってもなくても病気になってしまう『甘酒婆』っていう妖怪や、寝床に入ると部屋からはみ出してしまうほど大きくなる『寝肥(ねぶとり)』という妖怪がいるってことがわかったんです。他にも、背筋の凍るような怖い話から、本当に~?って疑いたくなる話までいろいろあって、それも読んでるだけで楽しかったです!

すっかり妖怪に詳しくなったので、今度いか文庫のみんなで、妖怪探し旅に出るなんてどうでしょう?遠野も良いし、ゲゲゲの鬼太郎ゆかりの街、鳥取の境港でもいいかも!(ワクワク)今回も素敵なマンガの紹介、ありがとうございました!



目的地の旅館・迷家荘まで行く途中に出会った少年。彼の正体はいったい…???

こんな河童がいたらぜひ会ってみたい! 相撲?やろうやろう!
いか文庫 Profile
お店も商店も持たない「エア本屋」。本屋さんと組んでフェアを展開するなど、本に関わる分野で活動する【店主】と【バイトちゃん】2人組。今年からサブスタッフ【バイトもりもり】【バイトぱん】も加わって、本をお薦めするお手紙を、4人でやり取りしていきます。

























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