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【第62回】やさしい雨 松崎克俊 コラム『繭、纏う』



「何だこれは」
これが『繭、纏う』に触れて最初に出た言葉です。
このマンガを説明しようとしても、自分の引き出しになかったものに溢れているため、何と言っていいのか分からず、読後はただただ心地よい余韻に浸っていました。

いわゆる「百合」ものでして、耽美さや繊細さがあり、1巻の帯に『やがて君になる』の仲谷鳰先生が、2巻の帯に『少女革命ウテナ』のさいとうちほ先生がコメントを寄せている、というところからこのマンガの雰囲気を感じて頂ければ。
なので、果たして自分のようなお笑い芸人が語って良いものだろうかとも思うのですが、でも面白かったから!好きだったから!仕方ないよね!
 
 
『繭、纏う』

舞台となる星宮女学園の高等部には、ある風習があります。
「私たちの制服は髪で出来ている」
三年生がずっと伸ばしてきた髪を用いて、新一年生の制服が作られるのです。
…っていう設定なのですが、まずこれがもう自分の中にない感覚で、衝撃をうけました。
そしてそんな学園に通う女子生徒たちの憧れ・恋慕・嫉妬なんかが描かれています。
…と書きましたが、これも単純な一つの感情ではない気がして、執着とか希望とか諦めとかいろんな感情が混ざり合ってて(多分ね!)、これは女学園という女性しか出てこない舞台だからこそ表現できるものなんだろうな、と思います。

とは言いつつ、シンプルに雑に説明する事も多分できるんですよ。
それは、メインとなる三人の女の子の
横澤さん
↓(好き)
佐伯さん
↓(好き)
星宮さん
という一方通行のガールズラブストーリーって事なんですよ。
ここに、星宮さんの周りの女子たちをはじめとするいろんな視点からも描かれて、物語が掘り下げられていきます。
ね?分かりやすいでしょ?そんなとっつきにくく感じる必要もないんです。

そして何と言ってもこのマンガにおいて重要なのが「髪の毛の美しさ」!
舞台設定の核となる部分ですから、ここに魅力がないと説得力がありません。
ですが安心してください!皆しっかり美しいのです!
制服を作るために伸ばしているその髪は皆実際にはあまりお目にかかれないほどに長く、手入れされていて、それでいて各キャラクターごとに個性もあって。
このマンガは時系列が前後しているので、読んでて今がどの時代なのか分からないとかあるかもしれません。その場合は「美しい髪の女性のイラスト集」として読んでも充分成立するレベルの素晴らしさ・美しさです。
そうして読んでいると全体の物語を自然と把握できていくと思います!自分がそうだったので!

タイトルの『繭、纏う』とはよく言ったもので、「繭」という表現が本当に絶妙なんですよね。
それは美しいという意味でも得体の知れないものへの不安という意味でも、ゾクッとくる雰囲気を見事に表したワードだと思います。
その繭から生まれて羽ばたくのは一体何なのか、その繭はどうなっていくのか、この先の展開がめちゃくちゃ気になります!
 
   松崎ココが好きっ!


三年生が髪を切る直前のシーン。この表現力を見よ!


1巻の表紙に繋がる7話のクライマックス。綺麗に磨かれてる床とかもポイント。


観てこれ!何このおとぎ話とかに出てきそうな美しさは!


1話に繋がる、佐伯さんの星宮さんへの想い。この制服が髪の毛と共鳴してる感じがたまりません!

松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/お笑いコンビ・やさしい雨として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
 
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