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いか文庫のマンガ通への道  第28回



~いか文庫のメンバー4人による、おすすめマンガの往復書簡~
 
いか文庫のマンガ通への道 第28回
オレが私になるまで

シンチャオ、店主!
私が住んでいるベトナムは日本以上に、「男」と「女」の役割みたいなものがはっきりしているんです。たとえば、結婚している場合、男性の方がどんなに年下でも女性は旦那のことを年上男性を呼ぶ時に使う相性「Anh(アイン:お兄さんという意味)」と呼ばなればいけないとか。他には、男子は兵役に行かなければいけないとか。女性は外に出て働くもの、とか…。日本ではいまジェンダー論をとなえる人も増えてきていますし、男って?女って?と考えることも多くなっているなぁと感じます。そんな状況のなかで出会った漫画「オレが私になるまで」がとてもとてもとても衝撃的だったので紹介しますね。

主人公は小学生男子。名前は藤宮明(あきら)。彼はある日突然、突発性性転換症候群という病気にかかってしまいます。性格や自分自身の中身はそのままなんだけど、肉体的な部分だけころっと変わってしまう病気。つまり、明の場合は体だけ女の子になっちゃったんです。
この突発性性転換症候群は実在する病気ではなく、あくまで物語の中の病気なんですけどね、性別が変わってしまった場合は二度とは戻れないんです。

思春期真っ只中の女子になってしまった明。胸が膨らんできたり、生理が始まったり、体の変化に戸惑うのはもちろん、それまで仲良くしていた男子たちから急にいじめられるようになってしまい…。もう男に戻れない主人公の明は、その後どう生活していくと思いますか?女の子になろうと努力すると思いますか?はたまた外見が女子だけど、男の子として生きていこうと奮闘すると思いますか?その答えはぜひ漫画を読んで、確かめてみてください!

私がもし急に男になってしまったら、これまでとは違う人生を体験できるわけだから「ラッキー!」って楽観的に捉えるなって思ったんです。でも、主人公の明はそうでないんです。自分が男子だった時代に女子にしてきた悪行を悔いるシーンもあったりで。自分自身の問題を一つ一つ解決しながら成長していく姿は、男だからとか、女だからとか関係なく、人としてかっこいいなと純粋に惹かれました。ぜひ読んで、店主の感想も聞かせてください!
ヘンガップライ!
What a surprise!バイトちゃん。
今さっき読み終えて、とにかくびっくりしてます。ぐいぐい引き込まれて、飲んでるお茶のことも忘れて、気がついたらすっかり冷めちゃってたくらい一気に読み干しました。確かに最近は、ジェンダーについての話題が注目されることが増えて、触れる機会が多いよね。でも、これまで得てきた、そういった話を考えるきっかけを与えてくれる情報とは、まるで印象が違うことにも驚いてます。

バイトちゃんからの手紙をもらって読み始めた時点では、私は、明は男の子のまま成長していくんだろうと思っていたの。だから、予想をはるかに超える展開に、正直、どうしていいかわからなくなってます。理解できているような、いや、全然できていないような…。ほんとうにどうしていいかわからない…。

そして一番衝撃的だったのが、宿泊研修の夜に生理になるシーン。男の子のままだったら、一生経験しないことだろう変化を目の当たりにした明の姿に、胸が締め付けられたし、自分が女であること、毎月生理がくることを、なんの疑問もなく受け入れていることに、生まれて初めて違和感を覚えました。私が最近仲良くしている女友達は、フェミニストだと公言している人も多くて、でも、彼女たちの話を聞いても、あまり自分ごとには思えなかったんだ。でもこの物語を読んだことで、何か違う自意識を見出せそうな気もしてきたよ。

私は、急に男になってしまったら、どう思うんだろう…。バイトちゃんみたいに「ラッキー!」っては思えない気がする。でも確かに、明の成長や、その周りの人たちの接し方を見ていると、性別関係なくかっこいいと思える人っていいな、自分もそうなりたいなって思いました。男らしい、女らしいを超えた魅力を磨いていきたいね。中学生になったこれからの明の変化も、しっかり見届けたいです。



突発性性転換症候群と診断され、戸惑うアキラ。

中学の制服として、お母さんは男子用の詰襟も準備しておいてくれたが…。
いか文庫 Profile
お店も商店も持たない「エア本屋」。本屋さんと組んでフェアを展開するなど、本に関わる分野で活動する【店主】と【バイトちゃん】2人組。今年からサブスタッフ【バイトもりもり】【バイトぱん】も加わって、本をお薦めするお手紙を、4人でやり取りしていきます。




























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