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【第36回】「氷菓」の巻②



「氷菓
の巻②
 今回は、氷菓の後半。第12話から最終話までをみました。

 舞台となっているのは、地方の成績の良さそうな生徒が通う高校だと思うのですが、その高校や通学路、町の風景をきれいに描いていますよね。だからつい、自分が高校生のときのことを思い出しながら、物語を見進めてしまうんですが…。そうなると、どうしても自分の場合は違和感を覚えてしまい、現実に戻されて…。そんな現実と物語の世界を行ったり来たりしてしまったせいで、物語に没入できなかったのが個人的には残念でした。

 後半のメインのお話は、学園祭で起きる事件やトラブル。序盤で間違えて大量に印刷してしまった文集をどうするか、という問題が発生するのですが、大量に刷ってしまったことから「ま、しょうがないか。頑張って完売を目指そう」という結論になるまでがあっさりしすぎているように感じました。1冊200円で販売する予定の文集を200冊も作ってしまったということは、印刷代は相当なものだったはず。高校生にとっては、おそらくとんでもない負債ですから、このシーンはもっと揉めてもいいのではと思ってしまいました。前回、数学の先生が突然怒り出したことをあれこれ推理する話を見ましたが、それよりもこっちのほうが大事件じゃないかと。

 で、いろいろあった学園祭のあとの話も、推理の部分より、他の部分が気になってしまう。校内放送で先生が話した言葉から、何が起こっているのかを推測する回では、その校内放送より、奉太郎と向かい合わせに座っていたえるが、奉太郎の隣に来て顔を近づけるシーンがあったじゃないですか。あれ、気になって仕方がないです。これはもう、偶然女の子のパンツが見えてドキドキというようなハプニング的なものじゃないでしょう。だって、えるが物凄い勢いでアプローチをかけているとしか思えませんもん。もし、自然にこんなことできちゃうような女の子だとすると、えるは、同じクラスの女子から嫌われているはずですよ。

 初詣の回で、蔵に閉じ込められた際、えるが「大声で叫ぶのは……」と躊躇するのもよくわからない。閉じ込められた直後なら、奉太郎と2人で蔵にいるところを見られても、蔵の中のものを取ってきてと頼んだ子が「5分前に2人に頼んだ」とか言えば変な噂は立たないと思うんですよね。

 ただ、自分が通っていた高校は、この物語の舞台ほど地方ではなく、成績優秀な高校でもなかったので、もしかしたらこのような高校生活を過ごしている人も同じ世代にいたのかもしれませんが……うーん、自分の高校生活とギャップがありすぎるのが馴染めなかった理由なのかなぁ。

 ちなみに、うちの子供は原作の小説を読んでいて「おもしろかった」と言っていたので、文字だけでイメージを膨らませていた人は「こういう世界だったんだ!」と感動があったりしたのかもしれませんね。あと、自分とは違う高校生活を送っていた人は心をつかまれるのかも。

 前半をみたときになんとなく感じていましたが、自分のような高校時代を送った人には合わないかもですが、ハマる人はこの世界にどっぷり入り込む。そんなアニメだと思いました。絵がしっかりしていて、町も高校も現実にありそうな感じだから、アニメの世界というより、現実の世界として見てしまう。もっとフィクションの世界であることがわかるような絵だったら、違う楽しみ方が見つけられたかもですね。

次回は、劇場版のアニメ「時をかける少女」について、あれこれ語ります。

 
「氷菓
Blu-ray BOX

 
 
 
土田晃之Profile
1972年9月1日生まれ/埼玉県出身/ピンでタレント活動中/太田プロダクション所属
ガンダム・サッカー・家電など多方面に興味あり。
 




































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