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【第111回】松崎克俊 コラム『君だけは死んでもごめん』



ストーカーがテーマになってるマンガって、どう紹介したらいいか分からない部分がありましてね?
現実に被害者の方がいるわけですし。
って事を言うと。毎回のように人が死ぬ刑事ものとかミステリーとかデスゲームものとかどうなるんだって話なんですけど。
ちなみに二次元至上主義の自分としては、
「二次元なら、面白ければ OK!」
って感じなので、それを前提にこの文章を読んでもらえるとありがたいかなーと思います。

って言っても、今回紹介する『君だけは死んでもごめん』はそんな堅苦しい内容じゃないのよ!
ただの片思い学園ラブコメディだから!
ただ、その想いの強さがちょ~っとばかり強いってだけな、純粋なお話なんです!
 
『君だけは死んでもごめん』

学園のマドンナ「八神美都子(やがみ・みとこ)」は、クラスメイトの「由比蒼一郎(ゆい・そういちろう)」の事が大好き。大好きすぎて彼の事をなんでも知りたいと思い、自宅の場所や起床時間を調べたり、彼の捨てたゴミを確保したりして悦に入ってしまうほど。
そんな彼女の事を大好きで、彼女の行く先々に現れる、彼女のいたるところに盗聴器をつけている「千代透馬(ちしろ・とうま)」の存在が彼女を困らせる…!
つまり、

由比蒼一郎
↑(ストーキングしている)
八神美都子
↑(ストーキングしている)
千代透馬

という図式になります。
ストーカーがストーカーされる姿がコミカルに描かれていて、透馬に「何してるのよ!」と言う美都子が、まさにおまゆう(お前が言うな、の意)で面白いのですよ。言ってる事が全部自分に返ってくる事に気付いていたり気付いてなかったり。

この二人のストーカースタンスの違いが面白くて(ストーカースタンスって言葉が存在するのかどうかは知りませんけど)
美都子はどちらかというとアナログで、
実際に蒼一郎の後をつけてたり
人一倍いい聴力と視力を使って遠くから蒼一郎を観察したり
蒼一郎のランニングコースにSNS 映えしそうな小ネタを仕込んで投稿の手助けをしてあげたり
結構「足でかせぐ」タイプ。
蒼一郎への接し方も、会話するとそれだけで昇天してしまうくらい崇めてる感じ。蒼一郎自身はめちゃくちゃ人懐っこい性格で、敬われるようなキャラじゃないのにね。

一方、透馬は美都子に対して積極的に接するタイプで、ストーキング方法も盗聴器を仕込むし
発信器を仕込むし
デジタルも取り入れつつ、
美都子→蒼一郎の想いが憧れという面が強いのに対し
透馬→美都子の想いは実際に付き合う、自分のものにしたい、更に言うと幸せになってほしい、と現実的に考えている感じ。

なので、「ストーカーがストーカーされてる」という分かりやすい面白さと、だんだん分かってくるキャラクターの違いによる面白さがそれぞれあって、そこに各キャラクターのバックボーンも相まって面白さに深みが出ています。
キャッチコピーにある【社会倫理ギリギリラブコメ】は考えた人よく思いついたなってぐらい見事にぴったりなのですが、それだけじゃない魅力に読み進んでいくと気付くはずです。
こういう面白い二次元作品なら、倫理観ぶっ壊れてても大歓迎です!!
 
   松崎ココが好きっ!


普段の美都子は「ごきげんよう」って挨拶するような人。ギャップがエグいな!


言おうとした事と思ってた事が逆になっちゃった系女子。


めちゃくちゃ格好いい顔しながら何やってるんですか


▲嬉しさのあまり涙を流す透馬。いい男の涙って、いいよね…

松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/現在はピン芸人として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
 
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