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【第114回】松崎克俊コラム『飼育員さんは異世界で動物園造りたいのでモンスターを手懐ける』

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【第114回】松崎克俊コラム『飼育員さんは異世界で動物園造りたいのでモンスターを手懐ける』

#特集/注目記事2020/11/11

今回紹介するのは『飼育員さんは異世界で動物園造りたいのでモンスターを手懐ける』という、異世界もの…なのかなぁ？いや、異世界ものではあるんですけど、既存のものとは違った不思議な魅力のあるマンガだと思います。

めちゃくちゃ愛情を持ってるというか面白いと思ってる事を前提に言うのでディスってるわけではないのを踏まえた上で聞いてほしいんですけど、このマンガを一言で言わせてもらうと、「変なの！」です！

『飼育員さんは異世界で動物園造りたいのでモンスターを手懐ける』

① 主人公が変
主人公は「幾原カイリ（いくはら・かいり）」。動物を愛し、動物に愛される、人間に対する興味はほぼゼロ、そんな動物園の飼育員。
長期休暇を取っては、新種の動物を求めて世界を飛びまわる男。夢は、未だ見ぬ生物を飼育する事。
何故か同僚の栗村さんにちょっと想いを寄せられてる？ような描写も。

いやもちろん動物好きな人の全員が全員、そういう人じゃないって事は分かってるんですけど！動物好きが振り切ってる人ってこういうイメージありますね…。

② 異世界に行った経緯が変
ある日、動物園から帰ろうと扉を開けると、そこはもう異世界でした。以上。それだけ！？
普通はさ！トラックに轢かれるとか！異世界の魔法使いか誰かが勇者を召喚する魔法を使ったら魔法陣が道路上に現れて異世界に飛ばされるとか！あるじゃないですか！
それが、
扉を開ければ異世界転生（転移）
ですもの。分かりやすい！

とは言うものの、実際には扉を開ける前に謎の声が聞こえているのでそれが関係してくるとは思うのですが、1 巻を読み終わった段階ではその辺はまだ謎に包まれています。
「変」だと思っていたものにちゃんと理由があってそれが明らかになっていくのって気持ち良いんだよなぁ～今後、そのような展開がある…のだと思います！

③ やっぱり主人公が変
異世界に飛ばされて、目の前に現れた三つ頭の危険幻獣・ケルベロスを見たカイリは、
「飼いたい」「手懐けたい」と思います。
なんでだよ！死ぬぞ！！

とは思いますが、普段から世界中を飛び回ってるカイリはフィジカルも強いです。そして何より、彼の夢である
「未だ見ぬ生物を飼育する事」
にうってつけの場所だったのです！
普通は元の世界に戻りたいとかなじゃないの！？むしろ理想郷だとでも言うの？そもそも元の世界に残された栗村さんが寂しがってるとか思わないの！？

そして異世界で出会った女魔法使いのメノウからは、あくまでビジネスパートナーっぽく一緒にいるものの実際には結構頼られていたり。
めっちゃモテるやん！！
メノウってお調子者っぽい雰囲気あるけど、スタイルがめちゃくちゃいいんですよ！
そんな女性がそばにいるのに何も思わず、ラッキースケベ的に胸に触れてしまったりしても本気の無反応。
なんでだよ！！
それはなぁ！ただの脂肪の塊じゃないんだぞ！！俺たちの夢だぞ！！

と、特徴を挙げてきましたが、実際の動物に対する行動を異世界の獣に当てはめて、「退治」するのではなく「懐柔」するという、面白い視点からの異世界ものになっていて、異世界ものの中で一番平和なんじゃないかとも思います。戦いで血が流れませんからね。

これからの異世界ものの可能性を感じるとともに、元の世界にいる栗村さんもなんとか幸せにしてあげて…！と願ってしまうほどのキャラの魅力が強いマンガです！

松崎ココが好きっ！