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【第119回】松崎克俊 コラム『鳥獣ギ町のあるきかた』



『鳥獣ギ町のあるきかた』というマンガを一言で表すなら、
ほっこり
ですね。心があったかくなる素敵なマンガです。
ただ、そのほのぼのした雰囲気で皮を被ってますが、なかなかに業の深い、こだわりの深さも感じられるマンガとなっております!
 
『鳥獣ギ町のあるきかた』

主人公となるのは「小鳥遊ほたる(たかなし・ほたる)」という女の子。メイドさんがいるようなお屋敷に住むお嬢様です。かわいいです。
好奇心旺盛な年ごろにも関わらず、自分を心配する周りの大人たちによって、外を出歩く事もままなりません。
そんなほたるが、ひょんな事から獣人が住む異世界に迷い込んでしまいます。鳥獣ギ町と呼ばれるその町で、自分を呼び込んだ獣人のイリさん(本名はイリオモテさん。つまり、おそらくイリオモテヤマネコの獣人なんだろうけど、ずっとトラか何かだと思ってましたね。読解力不足…!)と共に、はじめての外の世界を体験するのです!

このマンガのほっこりポイントですが、まず
悪い人がいない
ところですね。人なのかどうなのかってところは置いておきまして。
このマンガに出てくる人、皆優しいの!
元の世界の大人たちだって、ほたるちゃんを守るために過保護になってるわけで、その気持ちは一コマ一コマから伝わってきますし!
鳥獣ギ町の住人も、例えばまだ幼いほたるちゃんを連れ去ろうとか、悪い事をしてやろうって人が一人もいませんし!しいて言うなら、第 1 話で出てきた、「すれ違いざまに肩ぶつかったから治療費よこせや」的な昔ながらのヤンキーっぽい獣人たちぐらいでしょうか? そいつらはイリさんのコワモテっぷりにすぐ逃げていきます。

そう!このイリさんってのが本当に良い人というかピュアで、まだ幼いほたるちゃんの一挙手一投足に照れたり顔を赤らめたりと振り回されっぱなし!
1 巻の単行本の帯に書いてある「無自覚少女×純情獣人」がまさにそうで、手を繋ぐのもなかなかできないし、絵描きであるイリさんがほたるちゃんを描こうとしても恥ずかしくて全然描けなかったり、もうこのイリさんがヒロインなのでは?という説が自分の中で急浮上です。

そのイリさんやほたるちゃん、そして他の登場人物たちの絵柄がまたこれもほっこりポイント
イリさんはコワモテではありますが良い人だっていうのは伝わってきますし、照れた時の表情や、ほたるちゃんの表情少ないながらも好奇心旺盛な感じは、眺めててニヤニヤ必至です!
キャラクターの絵柄だけでなく、時代劇を観ているかのような鳥獣ギ町の雰囲気も、「和」! という感じで読んでて落ち着きます。
そんなに時代劇を観てこなかったのに、DNA に刻まれてるのかしら…?

そうそう、最初に書いた「業の深い部分」ですが、これは獣人たちの描き方の事ですね。いわゆる「ケモナー」と呼ばれる獣が好きな方たちは、自分は詳しくは知らないのですが、ちょっとした派閥があるようでして。
獣人は獣ベースで部分的に人間がいいいのか、人間ベースで獣の部分があるのがいいのか。はたまた完全に獣でなければ認めないのか…
こだわりが人それぞれあるのは当然ですが、マンガを発表する側からすると大変だったりします。

それが、このマンガは
獣人の顔が人間ベースと獣ベース、2 パターンある
という設定なのです!
これ、サラッとみせてるけどかなり重要なこだわりポイントなのでは!?と勝手に認識しております。
少しでも多くの人に楽しんでもらえるよう、細かいところまで考えられているところに頭が下がります。(そこまで深い意味あるわけじゃないのかもですが…)
このこだわり、業が深い!

というわけで、このマンガは
ほのぼの系好き
小さい女の子好き
ケモノ好き

の方に是非読んでもらいたいです!
これが入り口になって、また新たな属性に興味が出てきた…なんて事もあると思います!
 
 
   松崎ココが好きっ!


ほたるちゃんが鳥獣ギ町に初めて来ちゃった時のシーン。絵柄の雰囲気や体格差が分かるこの構図が好き。


ほたるちゃんを恥ずかしくて直視できないイリさん。ニャーーーッッ!!かわいい。


顔が怖いから笑ってみたらどうだと言われて笑顔になってみたイリさん。その声なに?


▲お風呂が壊れてたらほたるちゃんがこうなるのは仕方ないし、純情なイリさんがこうなるのも仕方ない。

松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/現在はピン芸人として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
 
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