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【第121回】松崎克俊 コラム『リアリスト魔王による聖域なき異世界改革』



2020 年ラストのコラムです。皆さま、今年も一年ありがとうございました!
今年は家にいる時間も多く、今までで一番二次元コンテンツに触れた、特にマンガを読んだ年だったんじゃないかなぁと思います。
部屋のどこにいったのか分からないマンガを電子書籍で買いなおしたり、その後すぐに汚い部屋を片付けるというロケをやった際にマンガの現物が出てきて途方に暮れたり、懐かしいマンガを電子書籍で買ったり…マンガといろんな触れ方をした一年でした。

そんな今年のラストは『リアリスト魔王による聖域なき異世界改革』!人気が出るのも大納得の内容でして、流行と個性を兼ね備えたマンガとなっております!あと単純に自分の好み!
 
『リアリスト魔王による聖域なき異世界改革』

まず流行の部分で言うと、これが異世界転生ものであるという点。
異世界転生ものが人気であるという事はこのコラムを読んで頂いている方にとっては周知の事実だと思うのですが、だからと言って異世界に転生すればなんでもかんでも面白いわけではありません。
そこで個人的な好みを言わせてもらうと、転生ものによくある
最初の数ページで前世のシーンが出てきて、その後は前世の話がほぼ出てこない
というものではありません。(※この始まり方が悪いというわけではなく、そういう始まり方が多くなってしまっているので「またこのパターンか」と食傷気味になってしまうという事です)
がっつりファンタジーものの始まり方をしたと思ったら、ところどころに前世の知識や考え方が入るというやり方が非常に上手いし好みだなぁ、と。

主人公は魔王アシュタロト。72 人の魔王がいるこの世界で、他のすべての魔王を倒すか抵抗勢力をなくす事で大魔王になる事を目指します。
ですが、敵は他の 71 人の魔王だけではなく、それぞれの魔王に【特攻】スキルのついた勇者も存在します。
そんな勇者だけが装備できる武器が、魔王の弱点となるような武器が、何故か魔王城に眠っていないか!?と考えるのは RPG の知識が生きているから。
このような前世の記憶の使い方がとても印象的で、さらに前世で死に分かれてしまった肉親に想いを馳せるシーンもあり、意外とこういうところを描く異世界転生ものって少ないのかなぁと思うのです。他のマンガもコミカライズするにあたって削っているだけで、原作には描かれているのかもしれませんが。

また、歴史上の人物・偉人が出てくるところも流行と言っていいでしょう。
土方歳三とジャンヌ・ダルクが仲間になってるというだけでワクワクしませんか?歴史にさほど詳しくない自分でもなんかワクワクしちゃいます。
マンガではまだこの二人だけなのですが、どうやら原作小説では他の偉人キャラもいるみたいで。
気になるなぁ~そこのネタバレ見ちゃう前に原作も読んでみようかなぁ~…って悩んでるという事は多分この松崎さんって人、原作読みますね(名推理)。

ここでの個人的な好みはと言うと、ジャンヌ・ダルクのキャラが面白いところですかね! なんとなく持っていた「凛々しい」「聖女」といったイメージとは一線を画す、「いっぱい食べる」「主人公に懐いている」「表情がころころ変わる」女の子という描かれ方をしていて、見てて飽きないキャラクターになっているのがカワイイのです!

そしてそういう偉人がいる中だからこそ、このマンガオリジナルのキャラクターで主人公のメイドであり参謀であるイヴのいじらしさが際立つのもたまらないですね!
戦闘に向いているわけではないながらもなんとか役に立ちたいと思う姿は、特にメイド好きというわけではない自分も思わずキュンです。(今風の表現)

個性の部分で言うと、やはりタイトルにもあるように主人公の「リアリスト」な部分が面白いですね!
先述の武器を捨てさせるところや、他には勇者の最初の村近辺に弱いモンスターを配置する事に疑問を抱いたり、魔王城を発展させるべく攻撃や防御よりも経済を回す事に重きを置いているところなんかは、現実社会にも応用できるのでは!?と思えるところがあったり。
でも生前の思い出に浸ったり、仲間の死にショックを受けたり、夢物語だと思えるような理想を語ったりと、
「リアリスト=冷たい」
というわけではない、人間としての魅力があるんだって思わせてくれるのがまた自分の好きなポイントですね。

この連載を続ける事で出会えたマンガが多くあり、それを堪能できた一年でした。
2021 年も、ジャンルにとらわれずいろんなマンガを読みたいし紹介していきたいと思います!
それでは皆様、よいお年を!
 
   松崎ココが好きっ!


これが主人公・魔王アシュタロト!悪そうな顔してるわ…


イヴが「イヴ」になった瞬間。名の無いキャラクターに名前が付けられるの展開って好きなんですよね~


サキュバスにも人気の魔王様。きゅう…ってなってるのかわいい。


▲物憂げな表情で夢を語る魔王様。こんな事聞かされたらグッときちゃうよねぇ~!

松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/現在はピン芸人として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
 
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