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【いか文庫コラム】無職の日々は決して「無駄」なんかじゃない!『34歳無職さん』



~いか文庫のメンバー4人による、おすすめマンガの往復書簡~
 
いか文庫のマンガ通への道 第44回
34歳無職さん

店主へ

思いがけず、ちょっと変わった漫画に出会ったので紹介させてください。

タイトルは『34歳無職さん』。その名の通り、主人公は34歳の無職さんです。(最後まで名前さえわからないんです!)彼女についてわかっていることは、先月勤め先がなくなって、いろいろ思う所あって一年間何もせずにいようと決めた、ということ。そんな彼女の毎日はとてもシンプルなもの。ですがこの漫画、働いている人たちと違う時間やペースで生きているからこそ感じる、小さな感覚や感情をとても繊細にリアルに描いているところがすごいんです。例えば、出かけるのどうしようかなと考えながらそのまま布団にもたれて眠ってしまって、でも起きてもまだ夕方で一日が終わっていない時の贅沢感だったり。外からは学校帰りの子供たちの笑い声とか、車が行き交う音とかが聞こえて、外の世界ではいろんな人の「日常業務」が行われているのに、そんな中で自分だけが寝ているというちょっとした罪悪感のようなものとか。ああわかる、まさに休みの日の私そのものだって思いました。

実は最初にこの漫画のタイトルだけ見たときは、正直読むのが少し怖いなって思っていました。私自身が「無職」になることがとても怖いからです。働き始めてから、一度立ち止まってしまうと動けなくなるのではないかっていう不安がどんどん大きくなって…。だから「一年間何もせずにいようと決めた」という彼女は、なぜそんなことができるんだろう?って疑問でした。そして、そう思うに至ったのはいったい何があったのかなということも。でも読んでいくと、世間一般や周りがどう思おうと、自分で決めたからこそ、彼女にとっての無職の日々は決して「無駄」なんかじゃなくて、栄養みたいになっているんじゃないかなと感じるようになりました。
ずっと立ち止まるのが怖いと思ってきたけれど、いつかどこかのタイミングで彼女のように自分自身に何もしない時間が必要だ、と感じる時がきたら、それを認めて受け止めたいなって。この漫画を読んで初めてそう思えました。

店主はどんなふうに感じたでしょうか?「無職」をテーマにした一風変わった漫画ですが、ぜひ読んでみてください!

 

▲ゴミのない日はつい寝すぎてしまうとは贅沢な生活。
 

▲取り込んだ布団にもたれているうち、知らぬ間に寝てしまう主人公・34歳無職さん。

バイトもりもりへ

『34歳無職さん』、読みました!前から気になっていたマンガだったのだけれど、予想に反した感情になる物語でした。

というのも、「1年間無職で一人暮らしをする」と決めたからには、とにかくのんびり、自由気ままに生きている女性の物語なんだなと思って読み始めたんだけど。読み進めるうちに、あれ?なんか違うかも?いや、やっぱりそうか。ん?いや?あれ?どうなんだ?みたいな、感情の変化がたくさんあったから。

でもね、それはそうだよなって納得もしています。

私も、一昨年の冬にリアル仕事を辞めて、2ヶ月半無職だったことがあったのよね。あ、いか文庫の仕事はしてたけど、職場に通うっていうのが無くて、まさにこの無職さんのような日々を過ごしてました。仕事を辞める前から決めていた無職期間だったから、「あれもやれるし、これもできる」「あぁ、旅行にも行きたいなぁ」っていう充実感とかワクワク感とか、とにかく自由を満喫できるぞー!っていう喜びを感じていたの。

でもその反面、お金が減っていく不安とか、周りが今までどおり動いているのに自分だけ止まっているような後ろめたさとか、自分の中から生まれるネガティブな感情と、周りからなんとなく感じる圧みたいなもの(私が勝手に感じてるだけなんだけど)とかに怯えたりもしてた。無職さんも私も、「何事もきちんとしたい」と思う性格だからっていうのもあると思うんだけれど、必ずしも気ままに楽しいだけの日々ではなかったなと、このマンガを読みながら思い出したの。だからこそ、自分ごとみたいに感情の変化を楽しめたのかもしれないなって。

あと、セリフが少なくて、文章での状況説明もほとんどなくて、それでも無職さんの抱えているいろいろな事情や感情が伝わってくるんだよね。それもまた、まるで自分が味わっていることのように思えた理由の1つなのかもしれないなぁ。

私も長く一人暮らしをしているから、台所スポンジの替えを買っておいたかどうか?忘れてしまって買ったものの、やっぱり前に買ったのがあった!とかは、「わかるー!」って叫びそうになったよ。こういう小さいことから大きいことまで、世知辛いことも多いけれど、それだから人生は面白いのかもなって思えたマンガでした。
 

▲お昼寝から起きてお散歩に出かける……もう日は暮れています

▲梅雨の時期はこんな気分…。

いか文庫 Profile
お店も商店も持たない「エア本屋」だけれど、本屋さんと組んでフェアを展開するなど、本に関わる分野で活動しています。
【店主】と、スタッフの3人【バイトちゃん】【バイトもりもり】【バイトぱん】が、本をお薦めするお手紙をやり取りしていきます。












































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