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【コラム】ポンコツちょろインを愛でる『ニートくノ一となぜか同棲はじめました』




新作・旧作、注目作に話題作。いろいろ気になるあの作品を、ちょっとだけ試し読み。そんな調子でマンガの世界を放浪していきます。
【第51回】 ニートくノ一となぜか同棲はじめました


ある同業者が「くノ一がこの部屋にやってこないかなぁ」みたいな内容を、twitterでよくつぶやいている。それを見るとこれまでは「Mさん、あなた疲れてるのよ」ぐらいの感想しかなかったが、本書『ニートくノ一となぜか同棲はじめました』を読んで、「こういうことか」といろいろ納得がいった。

本作は、平凡なサラリーマン・安海政(つかさ)のもとに天才くノ一・出浦白津莉(しづり)がやってくるところから始まるコメディ。武家の血筋を引くつかさは、妖魔に狙われており、しづりは政を守るためにやってきたのだという。


 
トラックや鉄骨が落ちてきたのも妖魔のせい
 
天才くノ一しづりのかっこいい登場シーン
 

だが実際には、しづりの本性はオタクニート。政の家に同居することが決まると、しづりはさっそくジャージにメガネ姿とリラックスした格好でゲームを始めるのだった……。

 
ゲームができる生活を得るためには土下座も辞さない
 
怠惰な生活に幸せを感じるポンコツっぷり

 
ポイントは、しづりが優秀で妖魔に関しては無敵だが、身の回りのこともろくにできず、毎日ゲームに没頭するだけのポンコツというところにある。ギャップ萌えというには前提である「くノ一」があまりに現実離れしているので、ギャップを感じるというより、単なるかわいいポンコツキャラになっているのだ。おまけに恋愛耐性ゼロで、政に「しづりが家にいるの、いやじゃないよ」といわれただけで赤面してしまう堂々たる“ちょろイン”ぶりである。

 
赤面してジタバタ。言葉になっていません


本作にとってくノ一という部分はあくまで世界観(というほど大げさでもないが)にとどまっている。そして、本筋はポンコツちょろインが、「政が風邪を引いて料理に挑戦」とか「自信があったゲームで政にボコボコにされる」といったシチュエーションで困ったり照れたりするところを愛でる作品なのだ。

その後、くノ一の後輩である中忍の百地彩夢、下忍の和泉緋那も加わる。しかし、百地はMっ気いっぱいのご褒美ほしがりタイプだし、緋那は周囲を巻き込む超絶不幸体質と、こちらもくノ一以上にクセの強い個性を持っているのであった。


 
クレイジーサイコレズ!?掛け合わせのクセが強い
 
部屋の中でも雨に降られるほど不幸体質


ではくノ一要素が不要かというと、まったくそんなことはない。しづりがくノ一だからこそ、体のラインも顕なセクシーな忍のスーツの上に、ジャージの上着のみという、絶妙で最高なファッションが成立しているのである。ニートくノ一を体現した結果、生まれたケミストリー。これはもうひとつの発明ではないかと思う。

というわけで第1巻を読み終わってくノ一というのもなかなかよいものなのだな、と思っているところだけれど、Mさんの愛するくノ一像とどこまで重なっているかは、いささか心許ないのであった。
 
 
 <Profile>
藤津亮太
アニメ評論家。主な著書は『アニメ評論家宣言』(扶桑社)、『声優語』(一迅社)など。アニメなどのコラムを多数執筆。



















































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