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【コラム】「ヲタク」と「殺し屋」のアンバランスさが面白い『そのヲタク、元殺し屋。』

 
【第177回】松崎克俊 コラム『そのヲタク、元殺し屋。

「マルコ」

イタリアの裏社会でその名を知らない者はいない、伝説の殺し屋

それだけ有名でありながら、誰もマルコの姿を見た事が無い。なぜなら、その姿を見た時が、彼に始末される時だからである。
 
 
『そのヲタク、元殺し屋。
▼試し読みする
   

 

ちょっと陰のあるイケメン。格好いい。
 

そんなマルコが、ある日忽然と姿を消す。依頼されていた全ての殺し<ミッション>をキャンセルして。

命を狙われるマルコ。逃げるマルコ。そこまでして彼を駆り立てるのは……


日本のヲタク文化だったのです。


『そのヲタク、元殺し屋。』のあらすじをざっと説明するとこんな感じ。

日本の二次元キャラクターにドハマりしてしまったマルコが、組織の追っ手が来ようが何されようがヲタク文化最優先という、人が変わったようになってしまうお話です。


 

ご用意されませんでした
 

凄腕の殺し屋が運命を変えるフィギュアと出会った時の顔です


個人的な趣味だけで言わせてもらうんですが、ヲタク文化が世界を救う、もしくは人生を豊かにする系のお話がやっぱり大好き。

自分が実際に好きなものが、誰かに良い影響を及ぼす(それが二次元のキャラクターであっても)のって、自分の好きなものが認められたような、ちょっと誇らしくなるというか、今まで好きで良かった、って気持ちにさせてくれるんです。

と、それと同時に、「普通にヲタクやってるけど実はすごい人」が仲間にいる、みたいな優越感にも浸れるのも良いのです。

悪い例えなんですけど、ヤンキーが地元の先輩の自慢話をしたくなるような気持ちに似てます。悪い例えなんですけども。要は、「虎の威を借る狐」って事です。これもあんまイメージ良くないな。

このマンガの世界のモブになりたいと思える、という感じです。

マルコ達とヲタク仲間として知り合って、何かしらのきっかけでマルコ達の過去を知ってしまっても、今まで通りの付き合いを続けるタイプのモブ。いいですね。私はモブになりたい。


 

嫌な予感
 

予感的中
 

そして登場キャラクターはマルコだけではなく、他にも殺し屋が追っ手として出てくるんですが、皆ヲタク

最初からヲタクだったり、元々は違うけどその素養があったり。ジャンルも、お腐りになられていたり、神絵師だったりといろんなタイプが揃っております。

えっ、殺し屋ってウチらの仲間が多いの?じゃあちょっと殺し屋になってみたいかも…

と一瞬だけ思ってしまいました。理解者の多い職場っていいよね…


 

殺し屋のビビアナ。後ろの爆発は実際に起きてる爆発です
 

1コマで分かるビビアナの過去。見覚えのあるキャラばかりですねぇ…
 
 
ビビアナの後輩、アンドレ。後輩ポジションキャラだあああ!!!
 

生きて
 

「ヲタク」と「殺し屋」のアンバランスさが妙な可笑しみを醸し出しているこのマンガ。昨年(2021年)末に2巻が出たばかりなので、知らなかった方も是非!

 

似顔絵作成訓練のせいで知らぬ間に神絵師になっていたアンドレ
 

ビビアナの画風
   

マルコの画力
 

※全員殺し屋です
 

あ、個人的な事を言わせてもらうと、「ヲタク」よりは「オタク」という表記の方が好きで、さらに自分自身「オタク」のハードルが高いあまりに「オタク」ではなく「二次元好き」と名乗っているのですが、その表現を毎回行うとまどろっこしくなるので今回はこのマンガに記載されている表記で「ヲタク」と言わせていただきました(ヲタク特有の早口)(イントネーションは平坦)
 
 
松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/現在はピン芸人として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
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