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【コラム】学校の教科書に載せてもいいのでは!?『オレが私になるまで』

 
【第179回】松崎克俊 コラム『オレが私になるまで

『オレが私になるまで』

すごいですねこれ。

このマンガ、個人的には学校の教科書に載せてもいいんじゃないかと思ってます。そのぐらい、現実社会でもいろいろ考えるきっかけになるんじゃないかと思えるマンガです。
 
 
『オレが私になるまで
▼試し読みする
 

主人公は「藤宮明(ふじみや・あきら)」。女子によくいたずらをする悪ガキの男子。ある朝起きると、彼の身体は女の子になっていたのです。

「突発性性転換症候群」。突然性別が変わってしまう病気で、原因も治療法も分かっていないため、一度性別が変わったらその性別のまま生きていく事になるのです。


 

元々のアキラの姿。ヤンチャっぽさが出てます
 

一晩にして髪も伸びて女の子の身体に


女子になって初めて、自分が女子にしていた事の恐ろしさに気付くくだりは「小学生がやっていた事だし、まぁ許してやってもいいんじゃないかな」って思ったんですが、これも自分が男性目線で読んでいたからなのかもしれません。

よくよく考えたら、小学生の事いじめてた奴の事を未だに許してないわ。それと一緒か。


 

かつての自分の行動が重くのしかかる
 

また、女の子として身体が成長する事に対する戸惑いや、自分が元々は男だったと隠して生活する事への罪悪感が、何話かに一ヵ所描かれているので、これがアキラが日常的に考えている・思い悩んでいる事で、おそらく一生付き合っていくんだろうなと伝わってきます。

そういう意味で言うと、これは題材が変わってはいるものの、「日常系」に分類されるのかもしれません。


 

初めてのスカート
 

アキラの心の支えになっている瑠海ちゃん
 

中学生になり、制服を着る事にもなり
 

「男に戻りたいと思ってる」と思ってるお母さんとの、ボタンの掛け違い
 

どの日常系うよりも日常系だなと思うのが、イベントの描き方。例えば、文化祭で「男女逆転した劇をやる」ことになり、開催までにいろいろな出来事が起こります。よくある展開だと、その後の本番で準備段階で起こったいざこざを乗りこえて本番で大団円、みたいな感じだと思うんです。

ただ、このマンガの場合、本番のシーンは特に描かれません。いざこざは乗りこえるんですが、本番は「劇は何事もなく終わった」のモノローグと1コマだけで処理されます。こういう描き方が、この世界での「日常」を真摯に描いてくれてるようで、このマンガで描きたい事というのが伝わってくるようで、嬉しくなってしまうのです。


 

劇の本番の描写はこのくらい。あっさりだけど、重い
 

アキラ以外のキャラクターについても、各々の気持ちについてリアルに描かれているので、学生に読ませて「このマンガについてどう感じたか」「このキャラクターの言動をどう思うのか」を考えさせるのは良い教育になるんじゃないかなと思うのです。

で!

で!

ここまで堅苦しい内容を紹介している感じで書いてきましたけど、全然そんな事ないよ!っていうのを最後に言っておかないといけません。

小学生・中学生としての年相応の魅力が描かれていて、好きな相手がいるドキドキとか、オシャレをしてみたワクワクとか、仲の良い子が他の子と仲良くしているところに嫉妬している感じとか、キャラクターの感情がリアルだからこそ感じられるかわいらしさを堪能できるのです!


 

ガサツな葵ちゃん。すき
 

親戚の子の成長を見守っているかのような微笑ましさというんでしょうか。自分はなかなか親戚の子と接する機会が無いのでよく分からないんですけども。たぶん近いです。たぶん。

男子が突然女子になるという突拍子もない始まりから、その世界ではこうなるんだろうなというリアルさ、そして解決しない問題と付き合っていくキャラクター達…読むと勇気をもらえる、見どころ満載のマンガです!


 
 
松崎克俊Profile
1983年9月2日生まれ/福岡県出身/現在はピン芸人として活動中/太田プロダクション所属
アニメ・ゲーム・漫画が大好き。二次元女性キャラクターしか愛せないという名言もあり。
 
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