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『彼女と旅する崩壊後世界』発売記念! 深見真(ストーリー原案)×九条一馬(絶体絶命都市シリーズ) スペシャル対談


 
●深見 真ふかみ まこと)
熊本出身。小説家、漫画原作者、脚本家。
月刊コミックアライブ連載中『彼女と旅する崩壊後世界』ストーリー原案を担当。
小説の代表作に『ヤングガン・カルナバル』シリーズをはじめ、『アフリカン・ゲーム・カートリッジズ』『GENEZ』『疾走する思春期のパラベラム』など多数。
深見真のものかき日記
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●九条一馬(くじょう かずま)
大阪出身。株式会社グランゼーラ所属 ゲームクリエイター。
開発に携わったゲームは『絶体絶命都市』シリーズ、『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』シリーズをはじめ、現在開発中の『巨影都市』(販売元:株式会社バンダイナムコエンターテインメント)など多数。
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  崩壊都市を描くのは「日常」のありがたみを感じるためなんです。

――『彼女と旅する崩壊後世界』と『絶体絶命都市』は、どちらも共通して崩壊後の都市を描かれていますが、お二人は何故このようなテーマを選ばれたのですか?

【九条】  僕は、崩壊後の都市を描こうとした、というよりも『絶体絶命都市』では「日常」を表現したかったんです。そのために崩壊した都市を舞台としている。災害に見舞われてから半年とか一年後の話ではなく、昨日まで普通に暮らせていたのに…っていうのが描きたい。

【深見】  私も被ってしまったという…。このインタビューの質問用紙が前もって来たじゃないですか。で、ぼんやりと考えてきたんですけど、だいたい被っちゃって、いま。



【九条】  あ、深見さんもそうなんですか!

【深見】  はい。マンガ作りは、漫画家さん・編集者さんと、ああでもないこうでもないって言ってやっているんで、完全に自分一人で考えているわけではないんですけど、なんで自分がこういう崩壊が好きなのか、というのを考えた時に思い当たるのは、『ドラえもん』の「ありがたみわかり機」なんですよ。

【九条】  ああ、そうなんですね(笑)

【深見】  ええ、『ありがたみわかり機』っていう道具があって、何のありがたみがわかりたいかを声で言うんです。例えば「空気」って言うと、空気がなくなっちゃうんですよ。

【九条】  いったん無くしてくれて、それでありがたみを感じることができるっていう。

【深見】  そうなんです。少し記憶が曖昧なところがありますが、たしか、のび太が「お母さんに会えなくても別に良い」って言って、ありがたみわかり機に「お母さん」って言ったんです。すると、お母さんとずっと会えなくなり、だんだん寂しくなって、ようやくありがたさがわかった、みたいなお話があったんです。



【九条】  そう、さっきまであった日常がなくなったとか、違う形になっちゃったっていう風にしたいんですよね。

【深見】  はい。いきなり答えが被るっていう(笑)


  これだけ知っていれば生きていけるお手軽サバイバル豆知識

【九条】  防災特集で、僕にインタビューの依頼が来る時があるんです「防災の専門家である九条さんに」って。僕は防災の専門家ではないって丁重にお断りしております。

【深見】  でも、あります?サバイバル豆知識的なもの。

【九条】  どちらかというと、災害時にやっちゃいけないことをゲームの中でやらせることが多いので、豆知識は・・・

【深見】  やっちゃいけないことをやらせないと面白くないですもんね。

【九条】  ゲームでは、主人公にやっちゃいけないことやれるようにしているけど、それを見てマネする人がいるとよくないと思ってシリーズ第3弾からは専門家の先生に監修していただいています。明らかにやっちゃいけないことであれば、それとわかるようにしようと思いました。僕は、災害への啓発を目的にゲームを作っている訳じゃないので、災害への正しい知識を身につけるためにゲームのストーリーを変えるつもりはないですけど。




 食糧よりもまず、抗生物質を! 

【深見】  やっぱり病院には行きますよね。やっぱり病院に行って抗生物質欲しいなって。

【九条】  そうですね、抗生物質は確保しておかないといけないかもしれないですね。

【深見】  そこで目端の利く人間だったら、最初の争いが抗生物質の取り合いなんじゃないかなと。抗生物質は第二次世界大戦中に出てきて、破傷風とか銃創の感染症を防ぐんで、魔法の弾丸って呼ばれるくらい強力なんです。自分でつくると大変なものが多いんで、食料より大事かもしれませんね。頭痛薬とかお腹の薬とかも、大量にあったらだいぶ違うと思うんですよね。そう考えると普段薬たくさん飲んでるなって。九条さん、最近病院って行かれました?

【九条】  私は喘息持ちで、先週喘息の発作が出たので治療のために行きました。それと最近歯医者にも行きました。

【深見】  歯医者、怖くないですか。

【九条】  歯医者、怖いですよ。歯医者は怖いけど、自分が江戸時代に生まれてたら何が嫌だったかなって、たぶん歯医者がないことじゃないかなと。昔は虫歯で死ぬこともあったみたいですし。あと、僕は視力がすごく悪いのでメガネやコンタクトレンズがないと、街を歩くことすらできないとか、そういう怖さはあります。



【深見】  崩壊後世界でやっていくとして、仲間にお医者さんとかいたらすごい心強いですよね。

【九条】  そうですね、薬というより、お医者さんが仲間にいることのほうが心強いでしょうね。


料理スキルは日頃のシミュレーションから

【深見】  九条さんは、料理ってされます?

【九条】  僕は全くやらないですね。

【深見】  崩壊後の食料って、ぱっと最初に思いつくのは、缶詰を確保しなきゃとか、いろいろ考えますけど―

【九条】  ああ、僕はその感じです。でも、缶詰ってどうやって、開けるんだっけ?今はたしか缶切りがなくてもポコッてふたを外せるんですよね。

【深見】  ちょっと料理をはじめてみると、なかなか面白いですよ。あ、こういうことすると玉子はダメなんだとか。

【九条】  そういう知識僕は全然ないな。

【深見】  この漫画のストーリー協力に入ってから、スーパーとかに行っても、食べ物への見る目が変わっちゃったんですよ。もともとはどんなサイズだったんだろうなとか。

【九条】  ああ、その捕獲前というか、食材にする前の状態。

【深見】  街を見てても、鳩とかいるじゃないですか、じーっと見て、捕まえてどう捌くのかなとか。

【九条】  それ、鳩からしたら嫌だろうな。これ食ったら美味いのかなとか、食えるところどれくらいあるのかなって見てるんでしょ? それは鳩も気が気じゃないと思うな(笑)

【深見】  あくまでシミュレーションとしてですよ。そういうの、頭の中でたくさん繰り返してますね。
自分は最近ちょっと料理を勉強中で…と言ってもカレーぐらいの初歩的なやつなんですけど。料理してると思うんですよ、普段から料理してる人間とそうじゃない人間とでは・・・。

【九条】  僕は料理が全くできないから、日常が壊れたら生き延びられない。リンゴの皮すらむけないんで、やばい。耐性がないっていうか、崩壊後の都市で一番役に立たない人間だなって思いますね。自分の作ったゲームの世界でも、自分だったらエンディングまで行けないなって思って。



【深見】  ああ、そこはでも思いますよね、ホラー映画の監督って、ホラー映画苦手な人が多いらしいっていうんですよ。ホラー映画が平気な人が作ったホラー映画ってつまんないらしいんですよ。

【九条】  僕は『絶体絶命都市』を自分で作ってるにもかかわらず、どういう条件で何が起きるかも自分で設定しているのに、プレイしていて怖がってますからね。すごい単純ですけど。



最も注意すべきはデマの情報

【深見】  何かすごいパニックとかおきたときに、デマとかには気を付けたいですよね。

【九条】  デマね。防災の専門家の先生も災害時に何が危ないってやっぱりデマらしく、デマによって本当に崩壊するっていうことはおっしゃってました。

【深見】  さっき、電車が止まった時の話があったじゃないですか、この時にケータイでインターネットを見て、ナントカ駅は動いているらしいっていうデマがあったら行っちゃうじゃないですか。

【九条】  あ、絶対行っちゃう。

【深見】  でも、もしかしたら、状況によってはそれが命取りになるかもしれない。それでもネットは、大変なことが起こったらつい見ちゃうじゃないですか。



【九条】  情報がないから、より一層情報が欲しくなるんですね。いつもと違う状況に置かれた時に、より貪欲に情報を取りに行くから、そこをゆがめられるとちょっと、ひどいなと思っちゃいます。

【深見】  だからこそ、ラジオ文化とか大切にしていきたいですね。

【九条】  ラジオは聞きますよね、災害時はやっぱりラジオですよ。以前、仕事でラジオ局と打ち合わせをさせていただいた時に、ラジオ局の方もラジオの災害時の重要性についてはとても使命感をもっておられるようでした。直接お話を伺って、災害の時は運営主体がはっきりしている公共のテレビ、ラジオっていうのは信用できるって感じます。

  最後に、お二人の最新作についてお聞きかせください。

【九条】  今は、PSVITA専用の漫画を作るソフト「マンガ・カ・ケール」と、『絶体絶命都市』シリーズの新作、そしてバンダイナムコエンターテインメントさんと共同で『巨影都市』の制作を進めています。
「マンガ・カ・ケール」は絵を描いたことがない人も、ストーリーが思いつかない人もゲームを楽しみながら、誰でも簡単に青春ものや恋愛もの、スポーツものやサスペンスまで多彩なマンガを作ることができるゲームです。『絶体絶命都市』と『巨影都市』は、どちらも現代の街が舞台のサバイバル・アクションアドベンチャーゲームです。ご期待ください!

絶体絶命都市 公式サイト
PlayStationVita「マンガ・カ・ケール」
巨影都市 公式サイト
 
PlayStation 4「絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-」
 ©2010 IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.
©2015 Granzella Inc. All rights reserved.

【深見】  私は『彼女と旅する崩壊後世界』のほかに、月刊ビックガンガンで『魔法少女特殊戦あすか』という、魔法少女ものやっています。もうひとひねりリアルな魔法少女ができないかと思って。魔法少女ものって、お約束として、モンスターが出てきて、女の子たちが戦うじゃないですか。絶対に警察とか軍隊とか出てこないんですよ。出てきたとしても、すごく無力なんですよ。でも、本当にそうなのかと。警察や自衛隊が仮に無力だとしても、当然、組織としての面子があるので何かするだろうなとか、魔法少女を扱う上院の精霊とかと交渉するとしたらどの機関がやるんだろうとか、そういうのを気にしようと思って。他にも、アニメだとベルセルクアニメ版の新シリーズの構成とか、あと今制作中なのが、バイオハザードの新しいやつの脚本とか、いろいろやってます。

彼女と旅する崩壊後世界
2016年7月23日より絶賛発売中!




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