【青に接吻ける】青に接吻ける

「わたし、青い金魚を造りたいの」 そう語っていた私の恋人は肺から水媒花を咲かせて死んだ。 火葬のあと、骨壺を確かめると恋人の骨は青い金魚に変わっていた。死んだはずの恋人との奇妙な日々。水たまりで溺れるような怠惰な幸福。頽廃の愛。だが、四十九日が経とうかというころ、金魚は段々と衰弱していく。 愛するひとを二度も失う恐怖のなかで私は、恋人がいつだったか「死んだら故郷の湖に還るの」と話していたことを想い…
「わたし、青い金魚を造りたいの」 そう語っていた私の恋人は肺から水媒花を咲かせて死んだ。 火葬のあと、骨壺を確かめると恋人の骨は青い金魚に変わっていた。死んだはずの恋人との奇妙な日々。水たまりで溺れるような怠惰な幸福。頽廃の愛。だが、四十九日が経とうかというころ、金魚は段々と衰弱していく。 愛するひとを二度も失う恐怖のなかで私は、恋人がいつだったか「死んだら故郷の湖に還るの」と話していたことを想いだし、恋人の故郷である四国へとむかう。 だが、そこで彼女の恋人を名乗る男と逢って―――― 「ねえ、人類は元々魚だったんだよ」「だったらどうして、私たちの祖先は海を捨てたんだろう」「それはね」 死んで金魚になった恋人と青き葬送の現代幻想。








