話題漫画の作者に話を聞く「カドコミュ」インタビュー。
今回は2023年の連載開始から人気を博し、2025年末には「カドコミAWARD2025」総合1位をマークした『ニセモノの錬金術師』の原作・杉浦次郎先生と漫画・うめ丸先生にお付き合いいただきました。
漫画家にいたるまでの道程、同作の制作秘話、今までに影響を受けた作品各種など、根掘り葉掘り聞かせていただいたので、是非最後までお付き合いください。
ちなみにまだ本作品を全く知らない方々に…「ニセモノの錬金術師」とは…


異世界で、
錬金術を生業とする
ひとりの人間が
おりました――。
錬金術×呪術×奴隷×エルフ×転生×神様×チート×バトル……
ファンタジーのすべてが詰まった作品が、圧倒的筆致により連載開始!
(カドコミより)

という、異世界転生モノです。ですが、主人公は錬金術のチート持ちゆえに身を狙われたり、異世界の人たちが強過ぎたり、チート能力をくれた神様が敵っぽくなったりと全く安心できないままサバイブしていくことに。奴隷として買った呪術師のヒロイン・ノラと、全く先が読めない展開に巻き込まれていくジェットコースターのような展開にファンが急増中。
今の世に数多ある「なんだかんだで無双」な異世界転生マンガに一石を投じる、ハードかつ奇天烈な「異世界転生」物語です。
では、インタビュー始めさせていただきます。
■本当に一位だったんですか…?(杉浦先生)
カドコミュT:よろしくお願いします。今回取材させていただく「ニセモノの錬金術師」はKADOKAWAの漫画配信プラットフォーム「カドコミ」にて2025年でのNo1の読者数を記録し「カドコミAWARD2025」で総合1位を飾りました。2024年に最強格だった数々の作品がある中で、今回1位に踊り出ております。同年と比べてファンの数も大幅に伸びた2025年だったと思うんですけれども…率直なご感想を伺ってもよろしいでしょうか? では…原作の杉浦先生から聞いていいですか?
杉浦先生:正直実感がないんですけど…………本当に1位だったんでしょうか?
カドコミュT:バッチリ、間違いなく1位です。
杉浦先生:すごいですね…本当に漫画を描いていただいているうめ丸先生のおかげだと思っています。はい。
うめ丸先生:いやいや! とんでもないです。
カドコミュT:(笑)杉浦先生の原作(ラフ版)のストーリーの素晴らしさと、うめ丸先生の画力。これらが合わさったことによる結果で、お互い誇っていいところじゃないかなと思うんですけど、うめ丸先生はどんなご感想でしょう?
うめ丸先生:いや、もう本当に杉浦先生と読者の皆さんのおかげでありがとうございますっていう感じでして。最初に1位になったというお知らせを拝見した時は「マジで⁉」って本当に狼狽えました(笑)。ありがとうございます。
カドコミュT:うめ丸先生は今作の商業漫画化をするにあたって、「ニセモノの錬金術師」はもちろん杉浦先生作のラフ版(kindleなどで展開中)から読んでらっしゃると思うんですけれども、もともと「この作品はイケるだろ!」って思ってたりしてましたか? さすがに全カドコミ漫画の中で1位をぶち抜くまでは想像してなかった?
うめ丸先生:どうなんですかね…。でも、杉浦先生のラフ版はもう本当に素晴らしいので「それはそうだろう!」っていう気持ちと、自分のことになると「いやいや、嘘でしょ」っていう…こう、両方の思いがある感じで(笑)
カドコミュT:なるほど。ちなみに杉浦先生は、昨年アニメ化された人気作「僕の妻は感情がない」も執筆してらっしゃるんですけれど、今回の「ニセモノの錬金術師」と「僕の妻は感情がない」で、ファンからの反応に変化とかあったりしましたか?

※2024年にアニメ化された杉浦先生の連載作品「僕の妻は感情がない」
杉浦先生:うーん…(悩)。落書き版(=ラフ版)の頃からそうなんですけど、「ニセモノの錬金術師」は…読んでくれた方々の反応がすごくいいなとは感じていますね。でも…それまでの作品と比べてどうだったかとか、実際、全体としてどれくらいの評判をいただいているのかとかは、あんまりちゃんと見れてはいなくて…
担当編集T氏:そもそも杉浦先生って、あんまりその普段SNSとかファンの人の反応って、そんな気にしないタイプなんじゃないですか?
杉浦先生:そうですね…。そんなに感想をじっくり分析したりしないので…どういう反応だっていうのがちょっと聞かれると…ちょっと分かってなかったなと、今思ってます(笑)
カドコミュT:なるほど、読者の反応や傾向を分析したがるタイプではない感じですね。でも、商業版連載が始まったタイミングなどでは、一応気になったりとかはしたんですか?
杉浦先生:確かにいろいろ見はしてました。でも、褒められてたら「嬉しいな」って思ってたくらいですね。
■漫画家へのきっかけは…「高校時代の寮の同級生に絵を褒められた」(杉浦先生)&「就職後、働くのが嫌になって『漫画家になろう!』」(うめ丸先生)
カドコミュT:そもそもの話になるんですけれども、先に別のヒット作の話をちょっと出しましたが、今作と別の連載も担当している漫画家・杉浦先生と、今作を圧巻の描写で商業漫画化したうめ丸先生。そんなお二人がいかにして漫画家になっていったのかという話をちょっとずつ掘っていきたいんですが…
うめ丸先生から聞いてみていいですか? 多分小中高で、漫画が好きだったり描いたりしてると思うんですけど、どんな漫画が好きで、読んでて、描いてたりしてきたんですか?
うめ丸先生:もうずっと漫画が大好きでした。で、一番最初に買った漫画がドラえもんの2巻っていう。
カドコミュT:2巻?
うめ丸先生:そう、なんで1巻じゃないんだっていう話なんですけどね(笑)。本屋さんに置いてあったのが2巻だったんですよ。で、そこから漫画人生が始まって今までずっと来たんですけど、今回の件で漫画に人生を捧げてて良かったなって思ってます(笑)
カドコミュT:あぁ…ちょっと分かります。世代と育った土地的に、漫画をいっぱい置いてくれる書店が近所に無い子供の漫画体験って、お店の品揃えに大きく左右されましたよね。ちなみに、後に漫画家になるような方々は、好きなキャラクターをノートに描き始めたりして、絵が上手くなっていくんじゃないかなと思うんですけれども、がっつり漫画を描き始めたのっていつ頃なんですかね?
うめ丸先生:落書きとかはずっとしてて、中高時代に同人誌などにハマり、でも就職をしたので一切描かなくなり、その後、働くのが嫌になって…
カドコミュT:…おっと。
うめ丸先生:「よし、漫画家になろう」と思って、仕事を辞めて漫画の道に入りました。
カドコミュT:親しみやすいストーリー。では、杉浦先生のパターンも聞いてもよろしいでしょうか?
杉浦先生:子供の頃に読んでたのはジャンプ、マガジン、サンデー…いろいろ読んでましたね。絵を描き始めたのは…私、高校生で寮生活に入るんですけど、そこでちょっとオタクっぽい友達と同じ部屋になって、彼に影響されて絵を描いたらすごい褒めてもらえて。僕、他人に注目されたことがなかったんで、それが本当に嬉しくて…そこから夢中になって描き始めました。
カドコミュT:素敵な話だ…。でも、高校生からってちょっと珍しいパターンですね。そんな杉浦学生が、イラストではなくコマを割ったりして漫画を描き始めるのはいつ頃なんでしょう?
杉浦先生:その後、漫画の専門学校に入って、そこの課題で1ページとか4ページみたいな短い漫画を描いてみろって言われて、そこで初めて描きました。
カドコミュT:で、専門学校でアシスタント先を紹介されて腕を磨き続けた感じですか?
杉浦先生:あ、その通りですね。卒業間近になって、成人向けの漫画の先生のアシスタント求人が来て、そこでプロの仕事っぷりを見ながら勉強させてもらった感じです。
カドコミュT:なるほど、その後のデビューは…
杉浦先生:デビューは同人誌からの流れでしたね。友達に「出版社に持ち込んでみなよ」って言われて。
カドコミュT:なるほど…。一方、うめ丸先生の「仕事辞めて、漫画家になる!」の後の動きはどんな感じだったんですか?
うめ丸先生:そうですね…パソコン一式を揃えて「これで私もデジタル作家だ!」みたいな気持ちで始めまして、そこからは地道にアシスタントをさせてもらいつつ…といった感じでした。一番最初に行かせていただいたところが、やはり成人向けの作家先生のところでして、そこの編集担当さんにスカウトされて、自分でも描かせてもらい…今に至るという。
カドコミュT:ちなみにその最初のアシスタント仕事を紹介してくれたのは、どなただったんですか?
うめ丸先生:掲示板に募集がかかってたので、それを見て自分で応募しました。
カドコミュT:ナイス行動力! しかし…あれですね、デビュー前の修行体験は杉浦先生もうめ丸先生も近しいものがあるかもしれませんね。
うめ丸先生:確かに! そうですね。
杉浦先生:そうですね。でも、僕は当時、全然絵があまり上手くなかったんで…スクリーントーンを削るぐらいしかやってなかったんですけどね。
■漫画を描くのが大変だったから生まれたラフ版「ニセ錬」の創作意欲(杉浦先生)
カドコミュT:では、「ニセモノの錬金術師」の誕生について話を進めていきたいと思います。これは僕が調べて…未だに結論が出てないんですが…杉浦先生的に「僕の妻は感情がない」の本連載と「ニセモノの錬金術師」(ラフ版)のpixiv投稿ってほぼ同じようなタイミングだったと思うんですが…「僕の妻は感情がない」が先だったんですかね?

※杉浦先生のラフ版「ニセモノの錬金術師」。左が主人公・パラケラススで右がヒロインのノラさん
杉浦先生:うーん…ここら辺、ちょっと自分の記憶が曖昧で自信がないんです(笑)
うめ丸先生:ほとんど同じぐらいだったはず…すいません、私もふんわりな記憶なんですけど。
カドコミュT:ほぼ同時っぽいですよね。とんでもないタイミングで描いたんだな…と思っているんですが…
担当編集T氏:僕もその時代はあまり知らないんですが、「僕の妻は感情がない」が先だとして、それだと連載をやりながら、「ニセモノの錬金術師」を始めたってことなのかなと思ってて…ここには何かモチベ―ションってあったんですかね? 商業連載やるって決まって忙しい中で、また別のオリジナルを描くっていうのはなかなか…
杉浦先生:えっと…恥ずかしいんですけど、当時漫画の作画が結構辛くて(笑)。その辛さが、なんかこう別の創作意欲に繋がってしまって…多分何かしらの逃避みたいな感じで始まったような気がします。
カドコミュT:興味深い!
担当編集T氏:物語は描きたいけど絵はちゃんと描きたくないみたいな…?
杉浦先生:恥ずかしいんですけど。はい(笑)
カドコミュT:なるほど…そして「ニセモノの錬金術師」をラフだけで描いてみたら、「作画さえしなければ、スイスイ進むじゃないか…」と(笑)
杉浦先生・担当編集T氏: (笑)
カドコミュT:面白いですね。では一旦、杉浦先生の最初の連載が、フラッパーでの「僕の妻は感情がない」だと思うんですけれども、その成り立ちもちょっと聞いてもいいですか?
杉浦先生:当時は思いつきで「僕の妻は感情がない」の原型みたいなやつをTwitterに投稿したら割と人気が出て、それで嬉しかったんでどんどん投稿していったら…フラッパーの編集さんに声をかけていただいて…それでって感じですね。
カドコミュT:なるほど。何となくここまでの会話的に、その編集さんは今は居ないんだろうなと思ってるんですけど。「ニセモノの錬金術師」の話も最初は多分その編集者さんがお声がけを…?
杉浦先生:そうですね。「ニセモノの錬金術師」のラフ版を描き続けてたら、そっちも商業化するのはどう? って感じでしたね。ありがたいことに。
カドコミュT:それでうめ丸先生に商業漫画化の相談が行くことになったんですか?
うめ丸先生:いやいやいや、全然違うんです。
■「二セ錬」大好き!杉浦先生に送った作画立候補DM(うめ丸先生)
カドコミュT:おっと…? そこら辺は何かしらの難航があったり…?
杉浦先生:いや、そんなことは無いんですが、当時は色々ありまして…。描いてくださる方に悩んでいたところで、うめ丸先生が…確か「ニセモノの錬金術師 100部 スカイファイア(「ニセモノの錬金術師」の大分未来の世界を描いたラフ画作品)」の方を描きたいと言ってきてくださって、描いたものを見せていただいたら…めちゃくちゃ良かったので、「是非1部(「ニセモノの錬金術師」本編)の方を」って僕からお願いしました。
うめ丸先生:当時私は「ニセモノの錬金術師」が大好きだったので、杉浦先生が作画の方を探してらっしゃるという情報を、勝手にSNSで受信してしまいまして…。「なんだと⁉」と思って、勢いで杉浦先生にDMさせていただいたんです…
カドコミュT:ナイス行動力!
うめ丸先生:今冷静になったら…いや…今でも「ニセモノの錬金術師」が好きすぎて冷静でもないんですけど(笑)。本当に当時の自分はよくそんな真似ができたなっていう…。「『スカイファイア』、是非是非お願いします!」とお送りさせていただいたら、本当にその杉浦先生からお返事いただけて…
カドコミュT:激アツじゃないですか。
うめ丸先生:で、「ああ、返事が来た。でも、怖くて開けない…」ってなって、一晩寝かせてからそのDMを開きました(笑)
カドコミュT:素敵な話ですね。
担当編集T氏:僕も、それは知らなかったです…。しまったな…僕、本作の連載が始まった時、「すごくいい漫画家さん! こんな人に作画してもらえてすごいね!」って前担当をめちゃめちゃ褒めちゃったんですけど…、全然前担当の手柄じゃなかった。
うめ丸先生:いやいやそんなそんな…本当に100万回は言ってますけど、ただただ運とタイミングが良かったなって思ってます。
担当編集T氏:それはうめ丸先生の行動力のおかげですから。現担当として本当にありがたいです。
杉浦先生:いや、本当にありがたかったです。
うめ丸先生:あの…本当にあがとうございます!
■異世界な成人向け漫画を描こうとした結果、「異世界行って、エッチして楽しい…とか、何か良くないな、って」(杉浦先生)
カドコミュT:うめ丸先生の「ニセモノの錬金術師」愛と謙虚さが素敵でしたね…。では、ここで杉浦先生にお話を振らせていただくとして、「ニセモノの錬金術師」に対して、当時本連載中だった「僕の妻は感情がない」は、SF作品で全然別物でした。両方読んでいくと、どちらも何かしらの「家族」の形を描いた作品かな…みたいなところは、共通点として見えてくるところもあるんですけど…
杉浦先生:あぁ、はい。
カドコミュT:「ニセモノの錬金術師」は、物語を考えるのにめちゃくちゃ頭を使ってるんじゃないかな…っていう複雑な作品に僕は読めるし、展開の大胆なブン回し方とかも含めて、「僕の妻には感情がない」と毛並みが違う作品だと思います。杉浦先生は、なぜこれを描こうと思ったのか、是非お伺いできればと思います。
杉浦先生:最初は確か…成人向けの漫画をpixvでちょっと連載してみようと思って描き始めたんです。異世界転生モノだったらそのスタートが簡単で、気軽に描いていけるかなと思って描き始めたんですけど…
担当編集T氏:その「成人向けに描こうと思ってた」っていうところって…序盤あたりに薄っすら匂いしか残ってないですよね。
杉浦先生:(笑)はい、そうなんです。で、描き始めたらなんかその…「『異世界に行ってエッチなことをして楽しい』みたいなことってするのは………良くないんじゃないか?」みたいな気持ちになってきまして…
カドコミュT・担当編集T氏:(笑)
杉浦先生:さらには「チート能力で『俺はすごい』みたいな感じでオラつく…みたいなのもあんまり良くないんじゃないか?」みたいな気持ちになってきて…
カドコミュT:美しい道徳観…
杉浦先生:そんなことを考えていたら、どんどん「(転生者より)その現地の人を活躍させなくちゃいけないんじゃないか」って思ってきまして(笑)。それでどんどんどんどん現地の人が強くなってきちゃって…みたいな感じですね。また、錬金術のこともある程度簡単な本を読んだりしたら「漫画の題材として本当に面白いな」って思って、それが本当に楽しくなってきちゃったので…最初の目的は早々になくなってきちゃった感じですね。
■錬金術は勉強した、呪術は…勉強していない(杉浦先生)
カドコミュT:そうだったんですね…「最初は成人向け漫画狙い」の「異世界だと描きやすそう」だったとは全然思ってませんでした。 錬金術の本を読んで面白かったっていう話なんですけど 、やっぱり読んで面白くて「伝えたい」になったんですか? 作中でのそういった部分って、ラフ版でも相関図とか図解とかにしながら、結構詳しく描いていると思うので…そういった意欲を感じるんですが。

※度々登場する錬金術・魔術・呪術に関する解説コマ
杉浦先生:「錬金術」の文献は読んだら本当に漫画にぴったりで…「これは描かなくちゃいけないんじゃないか!」って思うぐらいの面白い題材だったんです。まぁ、「錬金術の漫画」は、既に本当に凄い作品があるんですけど……でも「僕も描きたい!」と思って 、そこからいっぱい「錬金術」に関する本を買い足しましたね。で、読んで面白かったことは「これは絶対漫画の中で描かなくちゃ!」みたいなのもありましたね。
カドコミュT:なるほどなるほど。錬金術の話もそうなんですけど、本作では、そこにプラスで「呪術」の話もだいぶ詳しく入ってくるじゃないですか。あれも途中で勉強して膨らませていった感じですか?
杉浦先生:呪術は勉強してないですね。
カドコミュT:えっ‼ すごい説得力があるから同じぐらい勉強したのかと思ってました。
杉浦先生:何か読んだかな…いや、やっぱり読んでないような気がします。
カドコミュT:僕は「ニセモノの錬金術師」で呪術のルール的な設定を読んで、他人と喋るときにけっこうデリケートになってたんですけど…。不用意に他人と「縁」を結んじゃ危ないんだな…って。
杉浦先生・うめ丸先生:(笑)
カドコミュT:さて、あと確認させていただきたいことがもう一つ。僕はその時代を知らないんですけど…「ニセモノの錬金術師」ってpixivで投稿開始された当初はタイトルが「異世界で頑張る話」だったって本当ですか?
杉浦先生:ああ、その通りです。
カドコミュT:このタイトルは…とてつもなくフワっとしてて…何だったんですか、コレ? 「当初、どういうつもりでこのタイトルだったんだろう」って、今日までずっとモヤモヤしてたんですよ。
杉浦先生:(笑)
カドコミュT:「何となく成人っぽいものを描きたいな」→「なら異世界かな」→「ま、こんなタイトルかな?」になった感じ?
杉浦先生:そうですね。
カドコミュT:(笑)で、描くうちに色々思うところがあって、今の形、杉浦先生の考える独自の「異世界」となっていって…「ニセモノの錬金術師」に?
杉浦先生:そうですね(笑)
カドコミュT:ちなみに杉浦先生の異世界転生観をもうちょっと聞きたいんですが、「ニセモノの錬金術師」って主人公はチートで幸せになってもいないじゃないですか。成り上がっても無いし、何ならチートのせいでまぁまぁ不幸な目にあってるじゃないですか…。だいたいの異世界モノだったら「ダメ能力判定されたけど、結果最強、皆が俺好きでハッピー」とかなのに。でも、「ニセモノの錬金術師」は親しい人間たちとの関わりだけは別として、環境がピーキーすぎて…「こんなBAD転生ある?」なんですよ…
杉浦先生:大変そうですよね。
カドコミュT:大変そうですよ(笑)。でも、こうなるには描いていて「何かこっちじゃないな。こっちだな」となったっていう変遷があったんですね。そう考えると、多分単行本1巻分くらいの間に思いっきり方向転換した感じなのではないかと。
杉浦先生:そうですね。かなり最初の方だったと思います。
カドコミュT:ちょっとうめ丸先生にお聞きしたいんですけど、そもそも「ニセモノの錬金術師」の大ファンであるというところで、まず自由にうめ丸先生が思う「ニセモノの錬金術師の魅力」をもらっていいでしょうか?
■ノラさんの可愛さと、本作のストーリーの振り回し方が至高(うめ丸先生)
うめ丸先生:そうですね…まず私は、ノラさんが大好きなんです。普段はムチプリンな女性が大好きなんですけど…
カドコミュT:逆じゃないですか 。ノラさんはお人好しな主人公に現実論を突き付けながら、彼を大好きだっていう本心をなるべく出さないようにしている…まぁ、そんな素直じゃない感じが絶妙に可愛いヒロインですが…体は超軽量タイプですよ。
うめ丸先生:そう! ノラさんで、生まれて初めて細身のペタンさん(フルネームはノラ・ペタン)を好きになって(笑)。自分でも驚いたんですけど、今ではもう「ノラさんしかいない!」ぐらいの感じになってます。杉浦先生のノラさん(ラフ版)は素晴らしいですよ。めちゃくちゃ可愛くて…
カドコミュT:ちなみに、うめ丸先生は具体的にノラさんのどんなところにグっときてるんですか? 最近の第20話で、主人公にハグされたノラさんが、その後でお父さん(既に死んでいるので、その呪術的な残存思念っぽい何か黒くてちっちゃいヤツ)から「うれしい時、にやけるかわりにしかめっ面をする癖はやめたほうが…」って図星を突かれて怒っているところとかが可愛かったりしたんですけれども…
うめ丸先生:いやもう、何なんでしょうね。ツンデレともまた違うんですけど…めちゃくちゃ可愛いんですよ!
カドコミュT:ありがとうございます! 「ノラさん可愛い、至高」の 熱量、いっぱいいただきました。で、さらに、それとは別の角度での「ニセモノの錬金術師」の魅力も語っていただけますか?
うめ丸先生:そうですね…ノラさん以外のキャラクターの魅力も凄いですし…でも何よりも杉浦先生のストーリーが素晴らしいんですよ。どこかジェットコースターに乗ってるような感じなんですよね。最初は「カタカタカタカタ…」ってよく分からず登っていく感じなんですんですけど、その後に超スピードでぐるんぐるんと振り回されるみたいな…やっぱり読ませていただいている側として、自分をどこに連れてってくれるのかが分からない不安と気持ち良さみたいな所が…素晴らしい作品だなって思っています。
カドコミュT:ジェットコースター感はすごく共感できます。いろんなところで「マジかよ」「何これ」「この後どうなるの?」な急カーブ展開がありますし。
うめ丸先生:そうなんですよ。その急カーブ展開も「ここで来るか!」なタイミングなので「面白っ」って…。そういうとこも本当に大好きです。
カドコミュT:では、うめ丸先生的に作中で1番「マジかよ」と思った展開とかも聞いてもいいですか? 僕は治療中のエルフ・ココさんが虫みたいになった時(3巻・7話)に「嘘だろ…」って思ったんですけど…

※左が登場時のココさん。訳アリ&ズタボロ状態で主人公たちに迎えられ、手厚く看護される(1巻)。右が変身後のココさん、足を前面に出すスタイルでクワガタかアリジゴクっぽい。回復したわけではない謎の状態だが強く、人を乗せられる(3巻)
うめ丸先生:ですよね(笑)。読者さんも「ココさんがどうなるんだろう?」って気にしてくださっていた方多いんですけど、「こうなるんですよ」みたいな(笑)
カドコミュT:「思ってたのと全然違う!」ってなりました。うめ丸先生的な衝撃展開は?
うめ丸先生:まだ商業漫画版では先のことになってしまうのですが、今後にある「不滅編」あたりは「マジですか⁉」の連続でした。ネタばれになってしまうのでどう言ったモノか難しいんですが…ふんわりと〝巨大化〟あたりっていう感じですね。
※前編は一旦ここまで。次回、うめ丸先生の作画の秘訣、両先生のお気に入りのキャラクター、人生で影響を受けた漫画雑談…などを聞かせてもらったインタビュー後編(●/●更新予定)に続きます

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