2026/02/04

八月八独占インタビュー:メンタルつよつよヒロインに大反響!「悪役令嬢たちは揺るがない」ができるまで

「悪役令嬢たちは揺るがない」八月八独占インタビュー

話題漫画の作者に話を聞く「カドコミュ」インタビュー。


今回は2024年の連載開始から人気を博し、2025年末には「Renta!大賞」異世界部門大賞や「カドコミAWARD2025」ラブコメ・恋愛部門1位をマークした『悪役令嬢たちは揺るがない』の原作・八月八先生にお付き合いいただきました。


原作作品「異世界の沙汰は社畜次第」も現在アニメ放送中の八月八先生に、執筆のきっかけ、同作漫画版の見どころ考察、本作品の今後の展開などを根掘り葉掘り聞かせていただいたので、是非最後までお付き合いください。

 

ちなみに先週同様まだ本作品を全く知らない方々に…「悪役令嬢たちは揺るがない」とは…

折れない心=メンタルつよつよヒロインたちの反撃!


王立学園に聖女見習いの田舎男爵の庶子アイニ・ミッコラがやってきて半年。学園は混乱の極みにあった。貴族子息である男子生徒たちはアイニの無邪気で天然な可愛らしさに翻弄される一方、女子生徒たちはアイニの貴族マナーを無視した振る舞いに憤りを覚えていたからである。そんな中、巷で流行の物語になぞらえて「悪役令嬢」と呼ばれることになった三人の令嬢がいた。王太子の婚約者で清廉な侯爵令嬢セラフィーナ。商売で裕福な子爵家の気高き令嬢サンドラ。現宰相の侯爵家の聡明な令嬢ベルナルデッタ。いつしか学園内に不穏な空気が漂い始めた時、彼女たちがついに立ち上がる! アイニの間違いを正し、自らの心のままに進むために。


これは三人の「悪役令嬢」たちと聖女見習いが繰り広げる、女たちの生き様をかけた戦いの記録である――。

(カドコミより)

という…三人の有能令嬢が、天真爛漫な聖女見習いや彼女に翻弄される男たちと真っ向から対峙し、周囲から「悪役令嬢」扱いされながらも、気高く、強く、正しく、ぐうの音も出ない感じで彼女彼らを…きっちり正していく物語。


同時期同舞台での出来事を各人の視点から描く構成で、令嬢たちのスカッとする展開と強者感を多角的に楽しめます。(明日2/5に発売される第三巻も乞うご期待!)


では、インタビュー始めさせていただきます。

■私も1個ぐらい「悪役令嬢モノ」書きたいな、と

カドコミュT八月先生、宜しくお願いします。「悪役令嬢たちは揺るがない」を書こうと思った辺りの話から聞かせていただければと思いますが…八月先生の他の作品を拝見すると現在アニメ放送中の「異世界の沙汰は社畜次第」や、「ネガティブ錬金術師の二重生活」「乙女ゲームを知らない俺が悪役令嬢に転生したらこうなった」など男性主人公(一部女体化あり)の印象があります。どんないきさつで「よし、女性主人公で書こう」となったのか、伺っても宜しいでしょうか?


八月先生宜しくお願いします。そうですね…どっちかって言うと男の子主人公の方が好きだけど、基本的に性別にそんなにこだわりはないんです。普通に女の子主人公の作品も読みますし…っていう。で、悪役令嬢モノが普通に好きで色々読んでて、私も1個ぐらい「悪役令嬢モノ」書きたいなと。当時「乙女ゲームを知らない俺が悪役令嬢に転生したらこうなった」を途中まで書いてたんですけど、それではないファンタジーの王道悪役令嬢モノを、もう1個書きたいなと思って書き始めたのが「悪役令嬢たちは揺るがない」でした。

 

カドコミュTなるほど。悪役令嬢モノの作品を読んでいるうちに「書きたいな」となったということなんですけど…ちなみに八月先生が読んでいて「これ面白いな」って思った作品って聞いてもいいですか?


八月先生そうですね…。ちょっと特殊な悪役令嬢モノですけど、まきぶろさんの「悪役令嬢の中の人」はすごいですよね。後は… 悪役令嬢モノにカテゴライズされるのか怪しいんですけど、守野伊音さんの「狼領主のお嬢様」っていう作品が、前世が悪役令嬢だった設定の作品で、そちらもすごい好きです。


カドコミュTそんな中で執筆された「悪役令嬢たちは揺るがない」ですが。出てくる令嬢が、もちろん「悪役令嬢」なんですけど、なんて言うか…とても気高いというか、強いというか、「かっこいい令嬢」ですよね。


八月先生あ、はい(笑)


カドコミュT破滅回避に頑張ったり、溺愛されたり、世の中改善しまくったり…という悪役令嬢ものとは一線を画す、独特な作り方だなと思っているんですけれども、どんなテーマで書き始めたんでしょうか?


八月先生“ちゃんとしている”王太子と婚約者っていうものが書きたいなと。恋愛的な感じじゃなくて、「本当にいずれ国王になる、夫婦になるってことをしっかりと自覚した絆がある2人」を書きたいなって、書き始めたのが最初ですね。


カドコミュTその「しっかり感」「揺るがない感」が凄いですね。主人公の一人で王太子の婚約者・セラフィーナ様のパーフェクトさとか。ちなみに本作は、女性主人公というだけでなく、構成の仕方などからも、八月先生の他の作品と毛色が違う印象を受けました。


八月先生そんなに自分では変わらないと思うんですけど…。最初、短い話を書こうと思って、風呂敷というか作中の舞台をそんなに広げず、「ここだけ」っていう焦点を当てて書いているので、ちょっと見え方が違うかもしれないですね。

 

カドコミュTその絞られた舞台で、3人の悪役令嬢たちと1人の聖女見習いの視点、また各人が関わる男たちの視点で語られるエピソードで紡がれていく本作ですが、この構成はどう生まれたんでしょうか?

 

八月先生基本的に一人一人の視点から見る同じ事件を繰り返す、その見る人によって感じるものや見えているものが違うっていうものを書こうと思っていました。3人の令嬢の話に、対になるキャラクターの視点も補足情報みたいな感じで書こうと。サンドラだったら、その婚約者の弟・ジェラルド、ベルナルデッタは弟のサウリとセットになってて、セラフィーナは最初から聖女見習いのアイニとセットでいいなと思ってたので…女性4人の話っていうか、その3セットの話として考えていましたね。ただ、本編はあくまでも悪役令嬢たちの話なので、原作(※WEB連載)で3人以外の視点は「番外編」っていう形にしました。

■黒髪紫目のキャラクターは、だいたい自分の贔屓キャラ

カドコミュTちなみにどのエピソードが気に入っているかを聞きたいんですけれども…その前に八月先生はどのキャラが好きだったか、聞いてもいいですか?

 

八月先生キャラクターだったらセラフィーナですね。

 

カドコミュTゴリゴリのパーフェクトレディですね…


八月先生セラフィーナは自分の「好き」を結構詰め込んでる感じのキャラクターなので。


カドコミュTちなみにどんな「好き」が詰め込まれてるんですか?


八月先生私、黒髪紫目に弱いんですよ(笑)。黒髪紫目が私の作品に出てきたら贔屓キャラだと思っていただいても大丈夫です。


カドコミュTそうなんですか⁉ あとは彼女の強キャラ感というか…佇まいとかも好きな要素ですか?


八月先生そうですね。努力して結果を出してる人という。

 

カドコミュTそこに努力があるというのが大事?

 

八月先生大事ですね。

 

カドコミュTエピソードとして気に入っているのもセラフィーナ編ですか?

 

八月先生エピソードとしてはベルナルデッタ編かな…。セラフィーナが作品の柱で、サンドラも書いて楽しいキャラなんですけど、セラフィーナ編やサンドラ編で一番内面が分かりにくかったのがベルナルデッタだったと思うので、書きがいありました。あと、隣国のイケメン王子・リュシアンにプロポーズされるっていう展開で、それを選ばないっていう選択肢が書けたのにもすごく満足してます。

 

カドコミュT先ほど1番好きなキャラクターがセラフィーナだとお伺いしましたが、メイン以外の男性陣などで好きなキャラクターはいますか?


八月先生今ちらっと言ったんですけど、リュシアンですね。ベルナルデッタ視点ではいいやつだったのが、リュシアン視点にすると「本当にこいつは…」みたいな感じで全然いいやつじゃないっていうのが書けて楽しかったです。見た目キラキラ王子的な感じをやっていたけど、内面はまぁこんなもんだよねっていう。ひとくせふたくせあるキャラの方が好きなので、結構気に入ってますね。


カドコミュT八月先生的にはニヤニヤしながらリュシアン編を書いたんですか?


八月先生そうですね。でも、なんか嫌われるんじゃないか…って思いながら書いてました。女の子はこういうキャラって多分嫌いだと思うんです。ただ、時代背景とか世界観としてギリギリ受け入れてもらえたらいいなと。コミカライズでは赤羽先生の絵が綺麗だったおかげか、あんまり嫌われなかったですね(笑)

■小学校時代に描いた漫画は、ほぼ「ロトの紋章」だった

カドコミュTここで一度、時間を八月先生が作品執筆を始める前まで遡りたいと思うんですけれども、八月先生の物語作りってどんなところからスタートしているんでしょうか?

 

八月先生えっと、もともと私小説書いてなくて、漫画を描こうとしてたんですよ。


カドコミュTおっと! そうなんですか。どんな漫画を??


八月先生でも、ほぼ描けてないんですけどね。ただ、お話だけは作って、絵を描くのが好きだったので、なんとなくノートに漫画を描くみたいな感じでやっていたのが小学生ぐらいの時からでした。当時しっかり描こうとしてたもので一番覚えてるのは、小学生か中学生ぐらいの…当時の自分の年齢のぐらいの子たちを主人公にしたファンタジーで…内容がほぼ「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」でした(笑)


カドコミュT小学生の時に、ノートに描いて、ほぼ「ロトの紋章」…何か、とてもわかる気がします。

 

八月先生(笑) お話はたくさん思い付いて、こんな話あんな話っていうのはいっぱい作ってはいたんですけど、絵で描いて漫画にできるまではそんなにいってなかったって感じでした。


カドコミュT絵は描かなくなっちゃったんですか?


八月先生いや、描くは描くんです。ただその、練習してないからなんですけど…一向に上達をしなくて、自分が描きたい構図とかも描けないし、ちょっと描いただけで手痛くなるしっていう(笑)。だから本当にすごいですよ、漫画家さんは。あんなたくさん描いて…

 

カドコミュT(笑) そんな八月先生は後に「小説家になろう」にて「ネガティブ錬金術師の二重生活」で最初の投稿することになると思うんですけど、これはどういったいきさつで?


八月先生「小説家になろう」をたまたま見つけて、無料でこんなに読めるんだって、すごい読んでて…まぁ、自分の好きな要素の小説を検索して読むじゃないですか。で、ある程度読んだらちょっと物足りなくなって。「もっと自分の好きな要素が入ってる小説はないかな」って探してたら、「あ、もしかして自分で書けばいいのか」って思って、それで書き始めたのが「ネガティブ錬金術師の二重生活」でした。

■赤羽先生の漫画で、セラフィーナが「ママ」って呼ばれ始めた

カドコミュTこの作品に漫画化の打診が来た時の話をお伺いしてもいいでしょうか?

 

八月先生コミカライズ自体は、書籍化のお話と同時に「進めましょう」っていうお話をいただくことが大体なので…それだったと思います。それで赤羽先生のスケジュールもいただけそうだっていう話を聞いて、いい漫画家さんを連れてきてくださるのが、本当にありがたいなって思った感じですね。


カドコミュTコミカライズにあたって、何か「ここだけは!」みたいな希望とか、あったんでしょうか?

 

八月先生えっと、1個私がすごくめんどくさいお願いをしてまして…「サンドラは登場するたびに髪型と髪飾りを変えてください」って。なので、時系列で分けると全部違う髪型にしてもらっているんです。

 

カドコミュTおぉ…サンドラはおしゃれ番長ですからね。

 

八月先生そう、おしゃれ番長(笑)。おしゃれ番長で財力もあるので。赤羽先生にはこんなめんどくさいお願いを聞いてもらって、それをすごく可愛く描いていただいて…嬉しかったです。

 

カドコミュTコミカライズの連載が始まって、順調に人気を伸ばしていった本作ですが、八月先生としてはSNSでの評判や、ファンがこう言ってて良かったなみたいなのってありましたか?


八月先生そうですね。やっぱり絵が強いので…。最初から「あの赤羽先生の新連載だ」って感じで注目していただいてましたし、「すごい綺麗」って言っていただいてて、春野薫久先生のキャラデザもすごい素敵なので「綺麗な女の子がいっぱい出てくる。しかも強ぇ」っていう、好印象をいただいてて良かったなと。あとセラフィーナ編のラストで、彼女の絵がもう「国母」っていう感じの笑顔を見せるシーン(第2話 ※1巻に収録)があるんですけど、あそこをコメント付きの漫画配信サイトで見てたら、セラフィーナが読者さんから「ママ」って呼ばれ出していたんですよ。それ以降セラフィーナが出てくると「ママ」って呼ばれてて、なんか「セラフィーナ、人気出てよかったな」と思って見てました(笑)

セラフィーナの「国母」スマイル

カドコミュT八先生自身が読んで、あ、ここの絵すごいなと思ったコマとかシーンがあったら聞いてもいいですか?


八月先生やっぱり今言ったあの「国母スマイル」のところですね。あのセラフィーナが強いなあって思います。印象的ですし、綺麗だし、強者感も出てますし。

 

カドコミュT神々しいというか、ちょっと超人感ありますよね。ちなみに、他にも思いつくコマはありますか?

 

八月先生ベルナルデッタの「見下し目」(第9話 ※2巻に収録)ですね。基本的に令嬢の3人を、ちゃんと悪役令嬢の部分を持ってるように書きたかったので、本当に素晴らしかったです。あのコマだけ見たら、ちゃんと悪役令嬢ですもんね。


カドコミュTめちゃくちゃ冷たい目で「そんなことも分からないの?」って。


八月先生そうなんです。その二つは特に印象が強いですね。

ベルナルデッタの「見下し目」

カドコミュT原作者として、他に漫画版のストロングポイントだなと感じているところはありますか?

 

八月先生背景とかも、ちゃんと世界観にあった綺麗な…中世風の豪華な感じで描いていただいてるんですが、絵があるとやっぱり作品の世界観がしっかり見てもらえていいなっていうのは思います。小物から何からすごく綺麗ですよね。

■さらに子供世代の話を描くための設定までは作っている

カドコミュT漫画の連載開始から1年ちょっと経って、2025年は「Renta!大賞」異世界部門大賞や「カドコミAWARD2025」ラブコメ・恋愛部門1位をマークするなど、その話題・人気ぶりも上々でした。八月先生がこの本作品に改めて感じる「この作品ってこういうところがウケたのかな、ウケているといいな」みたいなところがありましたらその考察を聞かせていただいてよろしいでしょうか?


八月先生うーん…これ、この間担当さんにも言ったんですけど、「悪役令嬢たちは揺るがない」ってそんな珍しい題材ではないと思うんですよね。そんなにご支持をいただけるとは思ってなかったので、ちょっとびっくりしてるんです。でもそうですね…短く綺麗にまとまってることと、あとはラブロマンスをたくさん読んだ人たちに逆に刺さったのかもな、という。なんかその…結局「王子様に見染められて、結婚して、幸せになりました」をたくさん読んだからちょっと違うの読みたいなっていう人たちがいるタイミングに当たったんじゃないのかなと…


カドコミュT原作の最後の方では、そんなベタベタなカップルを笑い飛ばしてますからね。


八月先生そうですね(笑)

 

カドコミュTではそろそろ読者の方々への締めのメッセージをいただきたいのですが…

 

八月先生そうですね…まだ読んでない方々に対しては「サクっと読めるし、メンタルが強い女性好きにお勧めです!」という感じですかね。小説1冊分なので手軽に読めますし、モヤモヤがそんな続かない1人オムニバス形式なので。

 

カドコミュTちなみに「小説家になろう」での本作の後書きで、セラフィーナたちの「子供時代の話も書くかも」ってうっすら書いてあったと思うんですけど、その可能性ってまだ生きてるんですか?


八月先生子供世代の話は、書きたい気持ちはありますね。どこのカップルにいつ子供が生まれたかの設定ぐらいは作っているんですよ。なのでどこの子が何歳で、学生になったら何学年に誰がいるみたいな表とかを。でも…その話はエピローグとして書いた“あの2人”が中心になると思うので、ますます「恋愛?」って感じにはなると思います(笑)


カドコミュTその時にはサンドラとベルナルデッタにも子供も生まれているんですか?


八月先生そうですね。あとは、(サンドラの婚約者…だった)オルヴァのところの子供も一応いますね。私個人的にオルヴァの嫁さんは気に入ってるので、漫画で出てくるのを楽しみにしています。

■【マンガ好きおまけ雑談】:誰かと「双亡亭壊すべし」の話をしたい

カドコミュTありがとうございます。では、最後の最後に全然関係ない話を…、「カドコミュ」インタビューのおまけとして、ただの漫画好き雑談をしたいのですが、我々が用意した100個のトークテーマを1つだけ選んで、付き合ってもらっていいですか?

 

八月先生(100個の質問を吟味して)いいですよ。では…この「042:最近読んで誰かと語りたくなった漫画」でいいですか?

 

カドコミュTお願いします!


八月先生これは…週刊少年サンデーの藤田和日郎さんの「双亡亭壊すべし」ですね!


カドコミュTほう! 最近、藤田先生が始めた「シルバーマウンテン」じゃないんですね?

 

八月先生「シルバーマウンテン」も好きですけど、「双亡亭壊すべし」を半年ぐらい前に…何かのデジタルサービスで無料期間があったのかな、それで読み始めたんです。無料分までそこで読んで、その後すぐ電子書籍で買って、後で「これは紙だわ」って思って、紙の単行本も全部買って…。もうこれは本当に誰かと語りたくて、作家仲間たちに「誰か『双亡亭』読んでない?」って言ってました。

 

カドコミュT人間がバンバン飲み込まれる謎の化け物屋敷(中は迷宮的異空間)を冒険する話ですね。藤田和日郎作品、好きなんですか?

 

八月先生私、(同作者の)「からくりサーカス」は途中でリタイヤしたんですよ。なんかもう、主人公のマサルがかわいそうすぎて。辛すぎて途中でリタイヤしたんですけど、「双亡亭」は…すごいです。

 

カドコミュT面白いですよね。一気読みしたんですか?


八月先生一気読みしました。藤田先生の1本筋の通ったストーリーで、外の首相官邸とか、過去のエピソードもありつつ、ほぼほぼ舞台が「双亡亭」1箇所の中だけで話を終わらすっていうのが素晴らしい。あと何より、あの藤田先生がすごい令和ナイズされてるって思って。昔の藤田先生作品だったら、最初に「双亡亭」に入ったメインキャラクターたちが絶対もっと死んでいると思うんです。でも、けっこう生き残ってくれて、いい感じになってるのが、「藤田先生は時代にも合わせてきてるんだ」って感動しました。「双亡亭」はキャラがみんないいんですよ。人間味に溢れていて、すごい感じが悪かったキャラにも良いとこはあるって後から分かってくるのが本当に「人間」って感じでいいですよね。


カドコミュT最初に嫌な感じだなと思ってたキャラもきっちり頑張ったりするんですよね。

 

八月先生そうなんですよちゃんと理由があったりとか、その人なりの正義っていうものがあって、1人1人が生きてる感じがしていいですよね。私も物語を書いてて、キャラクターを舞台装置にはしたくないと思って書くので。「悪役令嬢たちは揺るがない」でもそうですけど、多角的にこっちかこの人から見たこの人はこうだけど、違う人から見たらこう見えるみたいなのをすることによってやっぱ人の奥行きっていうものが生まれてくると思うんですよ。そんないろんな面を持って1人の人間だっていうのは、藤田先生の作品を読んでるとすごく思うので生きてるって感じしますよね。


カドコミュT藤田和日郎作品、大好きですね(笑)


八月先生こないだ(同作者の漫画が原作の)「ゴースト&レディ」のミュージカルを名古屋に見に行ったんですけど。


カドコミュTえ、羨ましい。


八月先生劇場でパンフレットを買って読んだら、「ミュージカルっていうのは歌で表現するから、その作品から歌が聞こえる、音楽が聞こえてくるっていうのが、藤田先生の作品にはある」みたいなことをその監督さんがおっしゃってて、「ワカる! 音聞こえてくるよねー」って。私初めてミュージカル見たんですけど、全然違和感なくすごく面白かったです。

 

カドコミュT「藤田作品からは音が聞こえてくる」って、シビれますね(笑)。ちなみに作家仲間さんで「双亡亭」トークの相手はいたんですか?


八月先生捕まりましたけど、全員男性でしたね。2、3人男性作家さんを捕まえてトークしました。で、読んでないっていう人には「読め読め」と、「読み終わったら話をしよう」って言ってます。  


カドコミュTありがとうございました(笑)。漫画「悪役令嬢たちは揺るがない」をはじめ、現在アニメ放送中の「異世界の沙汰は社畜次第」など八月先生の作品の今後を楽しみにしております。

■今すぐ読む

赤羽にな(漫画) / 八月 八(原作) / 春野薫久(キャラクター原案)


あらすじ

折れない心=メンタルつよつよヒロインたちの反撃! 王立学園に聖女見習いの田舎男爵の庶子アイニ・ミッコラがやってきて半年。学園は混乱の極みにあった。貴族子息である男子生徒たちはアイニの無邪気で天然な可愛らしさに翻弄される一方、女子生徒たちはアイニの貴族マナーを無視した振る舞いに憤りを覚えていたからである。そんな中、巷で流行の物語になぞらえて「悪役令嬢」と呼ばれることになった三人の令嬢がいた。王太子の婚約者で清廉な侯爵令嬢セラフィーナ。商売で裕福な子爵家の気高き令嬢サンドラ。現宰相の侯爵家の聡明な令嬢ベルナルデッタ。いつしか学園内に不穏な空気が漂い始めた時、彼女たちがついに立ち上がる! アイニの間違いを正し、自らの心のままに進むために。 これは三人の「悪役令嬢」たちと聖女見習いが繰り広げる、女たちの生き様をかけた戦いの記録である――。

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